とりあえず読んでみる
本の感想を思いつくままに書いています。読んだ順番ではありません。   あと非常に偏った趣味なのでその辺もご理解いただけると嬉しいです。    ※画像の大きさがおおざっぱなお勧め度です。

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KAGEROU 齋藤智裕

たぶん自費出版と言われたら、もっと評価したと思う。
この賞はポプラ社が「大賞」をやたら出し惜しみして、初回に出したっきり全く出ていなかった。
それが第一回以来の大賞受賞作と言われれば、そりゃあ期待もしますよ。
その結果が…
まあ多くは語るまい。
というよりもどこから突っ込んでいいのかわからない。
主人公を40代に設定する意味は?
借金抱えてって…そこに至るまでの過程も説得力なし。
終盤で、ここからどう展開するのか、という方向に持って言ったかと思えば特に何事もなく終了。
感動押し売りにすらなっていない。
…ただここまで破綻していそうな話をそれなりにまとめきったという点では、それなりの力はあるのだと思う。
佳作くらいにして書きなおさせたうえで出版すればもっといい作品になったような気がする。
結局、この本自体がタレント本レベルでいいという出版社の判断に基づき、話題性重視で出版に至ったとしか思えない売り方をしたから、酷評される羽目になったのだろう。
売るということが目的ならそれは十分に達成されているし、成功した作品なのだろうが、本として面白いか、もっというなら誰かに薦めたいかといえば、それは間違いなく否だ。
KAGEROUKAGEROU
(2010/12/15)
齋藤 智裕

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ヒア・カムズ・ザ・サン 有川浩

同じタイトルで似たような設定(でも少し違う)の話が2つ描かれています。
編集者の男が主人公で、同僚の女性の父親が脚本家というところは同じ。
どちらの話もそれなりに楽しめます。
前半の話のほうがよりドラマチックで、後半の話のほうがまあわりと地味な話です。
有川浩の描く男性主人公が嫌いでない人なら、どちらの話も楽しめるでしょうし、そうでない人にはどちらも勧められない、というかその程度の差しかないので、どちらがより好きかという感じで評価が二分されるとかそういうことはないでしょう。
ヒア・カムズ・ザ・サンヒア・カムズ・ザ・サン
(2011/11)
有川 浩

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星やどりの声 朝井リョウ

悪いほうに若さが出てしまったのかなというのが第一印象。
父親がいません、という設定を感動押し売り的に処理してしまって、最終的に何かこう安っぽい感じになってしまったのが残念だ。
まあ今まで新人とは思えない高いクオリティの本を出してきたことを考えれば、たまにはこういう失敗作があるのも仕方ないのかもしれない。
星やどりの声星やどりの声
(2011/10/28)
朝井 リョウ

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ワーカーズ・ダイジェスト 津村記久子

忙しすぎる社会の中で、少しずつ人間性が壊されていく様というか、まあそこまで重たい話ではないのだけれど、人間が社会によって擦り減らされていくような感じというのが非常にうまく描かれている。
そしてただ「擦り減らされていく」という否定的な見方をするのでなく、なんだかんだでうまくこなしていく主人公たちが本当に魅力的なのである。
だからこそこれは単なる問題提起ではなく、現実を描いた作品として高く評価される作品になっていると言えるだろう。
表題作のほか、「オノウエさんの不在」という作品が収録されているがこちらも、労働者の描き方が面白いので、あわせて楽しめる。
ワーカーズ・ダイジェストワーカーズ・ダイジェスト
(2011/03/25)
津村 記久子

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ストロベリー・ブルー 香坂直

青春小説だからこんなものだろう、という作品だろうか。
連作短編集で、どの話もそれなりによくまとめてあるが、みなどこかで読んだような話という印象で、とりたててすごい話はなかった。
読みやすいし、感動押し売りでもないし、悪い作品ではないのだ。
だが、いろいろパターンを変えても「使い古された話」の領域を出ていないように思えたのが残念だ。
あまり本を読まない人に読書入門的な本としてはいいと思う。
ストロベリー・ブルーストロベリー・ブルー
(2010/03/26)
香坂 直

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本日、サービスデー 朱川湊人

短編集と言っていいのだろうか。
「東京しあわせクラブ」はちょっと趣向が違うかな、とは思うがあとはまあいつもの朱川湊人っぽい作品で、それなりに楽しめる。
売り文句ほど大げさな面白さはないが、それはたいていの本は大げさにあおるから仕方ないだろう。
本日、サービスデー (光文社文庫)本日、サービスデー (光文社文庫)
(2011/11/10)
朱川 湊人

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ラストラン 角野栄子

「児童文学」はいったい何歳まで読んでいいのだろう?
中学生まで?高校生まで?それとも死ぬまで?
しかし、大人になれば自然と「児童文学」の文体とは程遠い本ばかりを読むようになり、図書館では児童文学より遥かに内容のなさそうな本が一般の本のコーナーに並べられている。
だが、本当は大人になったって児童文学のような文章を読みたいときはあるのだ。
大人になったからと言って必ずしも仕事がどうだとか、セックスの話だとかがいつもいつも読みたいわけではない。
これはそんな需要にこたえた作品ともいえる。
主人公を老人に設定することで無駄に性行為に走ったりするのを避けていて、純粋に物語を楽しめる。
バイク好きでバイクの旅、という本筋があり、余計なことは描かれておらず、その点でも好感が持てる。
たまにはこういう本を読むときがあってもいい、そういう作品だろう。
ラスト ラン (カドカワ銀のさじシリーズ)ラスト ラン (カドカワ銀のさじシリーズ)
(2011/01/29)
角野 栄子

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アントキノイノチ さだまさし

映画の予告編を見た感じでは若干感動押し売りっぽいかと思っていたのだが、予想していたものよりはるかにいい作品だった。
噂を操る汚い友人に対する主人公の感情の描き方、そして壊された状態から仕事を通じて徐々に人間らしさを取り戻していくところが、感動押し売りでなく描かれていた。
その描き方にも好感が持てた。
何より終盤のシーンで「何か克服した感じ」というのを本当に見事に描き出している。このさりげなさがいい。
タレント本の類かと思ってあまり期待していなかったのだが、小説としての完成度は高い。
その辺の作家に引けを取らない作品と言ってもいいかもしれない。
アントキノイノチ (幻冬舎文庫)アントキノイノチ (幻冬舎文庫)
(2011/08/04)
さだ まさし

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神様のカルテ 夏川草介

たぶん私はこういう本が嫌いなのだろう。
人が死ぬ、だから感動しなさい。
医療の現場は大変です、だから感動しなさい。
医者が書いたんだからリアルに違いない、だから納得しなさいね。

そんな風に言われているようにしか思えなかった。
医者が、医者を尊敬しろと押し付けるような本を書くというのはどうなのだろう?
自分たちは頑張っている、だから偉いのだ、というのか?

医療の問題提起というのは確かにいいと思う。
だが、アピールの仕方を完全に間違えている気がする。
この書き方ではただ一般人に医者を尊敬しろといっているような形になることに著者(および編集者)は気付いていたのだろうか?
神様のカルテ (小学館文庫)神様のカルテ (小学館文庫)
(2011/06/07)
夏川 草介

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ダークルーム 近藤史恵

ちょっと不気味な短編集。まあどの話もそれなりに面白い。
ただ短いせいか、これは特にすごい、というようなものもなかった。
近藤史恵は短編はあまり得意ではないのかもしれない。
期待しすぎないで読むと楽しめるだろう。
ダークルーム (角川文庫)ダークルーム (角川文庫)
(2012/01/25)
近藤 史恵

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花桃実桃 中島京子

父の遺産であるぼろアパートを相続し、そこにすむことになった主人公と、住人たちとの物語。
中島京子は本当に日常を描くのがうまい。そのせいで冷静に考えればありえなさそうな話もありそうに思えてくる。また無駄にドラマチックにしないところもいい。
いい意味で安定した面白さのある作品である。
花桃実桃花桃実桃
(2011/02)
中島 京子

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わたしの彼氏 青山七恵

美しい女は男を狂わせる、という話はよく聞く。
別にその女がとりたてて悪いわけではなく、勝手に男たちが狂わされていくのである。
この作品は美しい男が女を狂わせる話、ともいえる。
最初が失恋からスタートするが、そこが曲者。この鮎太朗という男、実は女を狂わせる。そしてその一方でどこかいい奴に描かれている。
もちろん狂うほうが悪い。しかし、狂わせる要素がこの男にはある。
そこが本当に絶妙に描かれている。
しかも姉三人という設定で鮎太朗の性格に理由づけがなされており、多少の違和感がごまかせるし、友人をあまり描きすぎなかったことでぼろがでるのを避けた。このバランスのとり具合もうまい。
いい男が出てくる話というのは単なる女性作家の妄想でうんざりさせられることが多いが、これはそんな妄想物語とは全く違って男性でも十分楽しめる作品になっている。
わたしの彼氏わたしの彼氏
(2011/03/11)
青山 七恵

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かなたの子 角田光代

若干不思議な現象の起こる話入れた短編集。
時代もまちまち設定もまちまちで、うまく説明するのが難しい。
ただ序盤の話の鮮やかさに比べると、中盤以降はかなりがっかりする。
人の狂気と幻想的な部分の組み合わせが最初の2つではかなり面白いのだが、中盤以降はただのわけのわからない話になってしまっているのもあり、どうもパワーダウンしていく感じがする。
表題作よりは序盤のほうが面白いという珍しい本といえる。
かなたの子かなたの子
(2011/12)
角田 光代

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かわいそうだね? 綿矢りさ

書き出しが思い込みの激しい女、という感じで前作の「勝手にふるえてろ」とかぶるかと思ったのだが、その後の展開は全く違った。
元カノと同棲すると言いだす彼氏とそれを強制的に受け入れざるをえなくなる主人公、その元カノと主人公との対比が面白い。
そしてカッコつけるだけで、実際は両方にいいかっこしたいだけの男のだらしなさが非常にうまく描かれている。
この本にはもう一つ、「亜美ちゃんは美人」という作品も収録されているが、これもこれで面白い。
こういう本は面白いだけでなく、今後女性とつきあう際に参考になる部分もある。自分も気をつけようという気になるので。
かわいそうだね?かわいそうだね?
(2011/10/28)
綿矢 りさ

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3.15 卒業闘争 平山瑞穂

期待外れ、の一言に尽きる。
言いたいことがよくわからない。特殊な設定で若干SF風なところもあるが、全体として中身がない感じに思える。結局のところ奇妙な世界を提示して、何かこう気持ち悪いままで終わってしまったような気がする。
普通に世界観の面白い作家なのだから、何も奇妙な設定の世界を作り出してそのよさを消す必要はなかったのではないかと思う。
3・15卒業闘争3・15卒業闘争
(2011/11/28)
平山 瑞穂

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つるかめ助産院 小川糸

別に面白いと思っていないくせになぜそんなに読むのかと問われると少し困る。
あえていうなら小川糸の強みは、「つまらない女」の描き方がうまいということだろうか。
男が「つまらない女」を書こうとすれば、女をバカにしている、と言われるようなタイプの女性になりがちだ。
だが、小川糸の場合はおそらくそういう批判にはなっていない。
この微妙な差がいいのかもしれない。
この作品もまさか南の島にくればハッピーとか思ってるんじゃないだろうなとか、原田マハじゃないけど南の島を桃源郷と勘違いしてないかとかいいたくなるようなどうしようもない女が主人公。
ここまでつまらない女を主人公にするのは男性作家には難しいだろう。
今回はあまりにも突っ込みどころが多すぎてまあどうしようもない作品ではあったが、たぶんこういうのが好きな人もいるだろうなとは思った。
つるかめ助産院つるかめ助産院
(2010/12/03)
小川 糸

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木暮荘物語 三浦しをん

木暮荘というぼろアパートを舞台…というかこの住人およびそれにかかわる人を主人公にした連作短編集。
突っ込みどころはいろいろとあるが、まあそれなりに面白い。
人物の描き方が、表面だけ極端にして無理やり描き分けようとしたように思える部分がないわけでもないのだが、いわゆる妄想と現実を混同したタイプの男をそんなに描かなかったために駄作方向にいかなかったともいえる。
木暮荘物語木暮荘物語
(2010/10/29)
三浦 しをん

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ツナグ 辻村深月

死者に会いたいと思う人たちの話と聞いていたので、くだらない話を想像していたのだが、意外にも面白かった。
辻村深月は女性同士の悪意のある関係をさらっと描き出す。実際の女性が読んだらどう思うのかは分からないが、これは結構興味深い。まあすべての女性がこういう悪意でつながっているとは思いませんが。
だからこそ、ツナグの少年の嘘っぽさがというか、「無理無理少年やってます感」が目立ってしまって、不快だった。
どうせツナグなんて得体のしれないものをやらせるんだから、あえて人間味を出そうとしなくてもよかった気がする。
その結果、最後の話は辻村深月特有の自爆モードというか、人間味を出そうとしてかえって嘘っぽい仕上がりになってしまったのが残念である。
ツナグツナグ
(2010/10)
辻村 深月

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