とりあえず読んでみる
本の感想を思いつくままに書いています。読んだ順番ではありません。   あと非常に偏った趣味なのでその辺もご理解いただけると嬉しいです。    ※画像の大きさがおおざっぱなお勧め度です。

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ふがいない僕は空を見た 窪美澄

まあ女性のための本なんでしょうね。
最初の話の少年があまりにもうそくさく、これが最後まで尾を引いてしまいました。
なんかそれっぽく仕上げて最終的にはいい話みたいにしてるけど、背景に見え隠れする語り手(=作者)の計算高さを強調するような感じの空気に少し嫌な気分になりました。
こういう計算というのは最後にああそうだったのか、と気づかせてこそ意味があるのであって、その前に強調されても困ってしまう。
正直、前半部分は単なるサディスティックな作者が自分の欲望の対象となる美少年をいじめる妄想をし、後半はその自分の妄想を正当化するための小細工をした話、という風に読めてしまって、あまり評価したいと思えなかった。
ふがいない僕は空を見たふがいない僕は空を見た
(2010/07)
窪 美澄

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あなたがパラダイス 平安寿子

ジュリーにはまる更年期の女性の話。
昔からの熱狂的なファンの女性、一時ファンから離れていた女性、更年期になって初めてファンになった女性と3人の女性が出てくるが、この更年期の女性3人の描き方が平安寿子らしくていい。
更年期のとらえ方も、あるいは多少の身勝手さも含めて、なかなかいいなあと思わせる。
理解させようとしないのがよいのだろう。
つまり、主張はするが相手の理解を求めるというのとは少し違うところがポイントなのだ。
どうせわかりはしないだろう、でも主張しなかったらその前の段階にすらならない、だから言わなければ仕方ない。
言っても無駄、ではなく、相手がわからなくても主張することに価値がある、これって更年期に限らず言える問題かもしれないとふと思った。
あなたがパラダイス (朝日文庫)あなたがパラダイス (朝日文庫)
(2010/09/07)
平 安寿子

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謎解きはディナーのあとで 東川篤哉

暇つぶしにいい本と言ったら好きな人は怒るだろうか。
もちろん暇つぶしとしての本にはそれなりの需要があるから、売れたこと自体を批判する気はない。批判すべきなのは、既に売れている作品であるのになぜ本屋大賞に選んだのかということだ。

ストーリーと言い、推理(こんなもので本当に犯人と決めていいのか?)といい、どうもお粗末な印象がぬぐえない。
さらに言えば、毒舌が売りの執事が全然大したことがない。
ただ失礼な執事というだけで、毒舌というほど表現に切れがあるわけではない。
わざわざ書店員という限定までつけて、投票させた結果がこれでよいのだろうかと思う作品である。


それではなぜ最低評価にしないか。
その最大の理由は表紙である。
この表紙がうまく小説の中身をリンクさせており、この表紙を楽しむためのおまけとして小説を読むということが可能になっている。
そういう点では新しい推理小説と言えるかもしれない。
謎解きはディナーのあとで謎解きはディナーのあとで
(2010/09/02)
東川 篤哉

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サイン会はいかが? 大崎梢

「配達あかずきん―成風堂書店事件メモ」のシリーズ。
さて、この本、子ども向け推理小説と割り切ってしまえばそれなりに楽しめる。今回は人の命がどうこうなるような過激な事件は出てこなかったし、その点は評価していい。
だが、実は個人的に気になったのは本編よりあとがきである。
これを読んで「芳林堂」の池袋店がなくなっていたことを思い出した。私の高校時代まではあったはずなのだが、何年か前に池袋店がなくなっていたのだ(なおコミックプラザはある)。
やはり池袋の芳林堂を惜しむ人はほかにもいたのだなと妙に共感してしまった。
その芳林堂の思い出の話が非常によかったので、この評価。


サイン会はいかが?―成風堂書店事件メモ (ミステリ・フロンティア)サイン会はいかが?―成風堂書店事件メモ (ミステリ・フロンティア)
(2007/04)
大崎 梢

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ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 辻村深月

女の友情というのはよくわからない。
いや「女の」と勝手に一般化しないほうがいいのかもしれない。
殺人事件の容疑がかかっているかつての親友の行方と事件の真相を探す話ということになるのだろうが、主人公の行動が今一つよくわからない。
あとは他人と妙に性格の悪いつきあい方しかしていないような気がして、事件の真相とかそういうことより、主人公の不気味さに興味をひかれる。
結論から言ってしまえば、推理小説としての面白さよりは主人公の歪んだ部分を描き出したところのほうが面白い。だが、別に推理小説として読ませようが人間の狂気として読ませようが、とりあえず最後まで読ませたという事実。それこそがこの本の魅力と言えるかもしれない。

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (100周年書き下ろし)ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (100周年書き下ろし)
(2009/09/15)
辻村 深月

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おしまいのデート 瀬尾まいこ

さまざまな「おしまいのデート」を描いた短編集。
表紙が天丼の絵というのがなかなかニクい演出だなと思う。
デートと言ってもいわゆる恋人同士のデートではなくて、おじいちゃんだったり、学校の先生だったり、クラスメートだったりと恋人同士のデートを描いた話は一つもない(しいて言うなら恋愛関係的なのは最後の話に出ては来るが)。
だが、そこがいい。
瀬尾まいこらしいやわらかい感じの登場人物の描き方が恋愛じゃないからこそいきる。
子どもにも勧められる本と言えるだろう。
おしまいのデートおしまいのデート
(2011/01/26)
瀬尾 まいこ

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カササギたちの四季 道尾秀介

カササギといっても鳥のカササギではない。主人公の勤務先の店を経営するのがカササギという人物であるというだけで、最初の話以外は鳥と全く関係ない。
このカササギのインチキ推理と、それをごまかそうとする主人公の日暮とのコンビが面白い。
カササギの推理は、「子供向け」と称する子どもをバカにしたとしか思えない推理小説にありそうな、かなり無理のある推理で、もしかしたらそういうインチキ推理小説に対する皮肉でも込めたのだろうか。
ところで、主人公はある少女のためにわざわざカササギのインチキをごまかそうとするのだが、この本に書かれてある話だけだと、別に彼女はカササギがインチキだと知ったら生きていけないほどの何かを抱えているようには思えなかった。なぜ主人公がそこまで思いつめるのかが、全く理解できなかったので、ハマる作品かと言われるとちょっと微妙だ。
カササギたちの四季カササギたちの四季
(2011/02/19)
道尾秀介

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あくたれ 岸川真

「半ズボン戦争」の続編のような感じの本。
というか、主人公の小学校時代については「半ズボン戦争」をそのまま引き継いでいるので、これを一冊目で読むと自分の本のネタを振って喜んでいるようにも読めてしまうかもしれない。
では、半ズボン戦争を読んだ人にならおもしろいか、というと残念ながらそういうわけでもない。
一言で言うと系統が違うのだ。主人公を重ねられない感じになってしまって、何か違う気がしてきてしまう。
独立の作品として読めば面白いと思うのだが、では完全に独立かというとそうでもない感じで、中途半端にリンクさせたのがよくなかったなと感じた。
少年の描き方なんかは好きなのだが、正直、もったいない作品ではある。
あくたれ!あくたれ!
(2011/03/19)
岸川 真

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ボックス! 百田尚樹

ボクシングは好きではないし、興味もないが、これは面白い。
最初に映画の宣伝を見たときに松本大洋の「ピンポン」のパクリのように思えたが、小説では感じが違うように作られている。
教師の役割をうまく組み合わせたところがよかったのかもしれない。
ただ「ピンポン」が好きな人には勧められない。
設定がちょっと…
ボックス!ボックス!
(2008/06/19)
百田 尚樹

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四畳半王国見聞録 森見登美彦

四畳半神話体系の続編というわけではないが、まあ似たような感じの話。
四畳半神話体系などある程度森見作品を読んでいた人とそうでない人で楽しみ方に差は出るだろうが、仮に読んでなくても楽しめる。

というのも、この作品、はっきり言って中身はない。
だが、それがなんだというのだ。
文学作品とは中身がなくて表現だけをやたら凝るものではないか。
中身がある作品はなぜか芥川賞から遠ざけられている。
凝った表現にこそ文学性を見出すというのなら、なぜ森見に芥川賞を贈らないのか。

その辺の表現とは他者に伝えることだという根本が欠落しているような自己満足でしかない表現を並べた文学作品とやらよりもはるかに表現として優れているこの作品に芥川賞を贈るべきだと私は思う。

四畳半王国見聞録四畳半王国見聞録
(2011/01/28)
森見 登美彦

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ダークゾーン 貴志祐介

貴志祐介の新作なのでとりあえず読む。
今回は比較的短かったと思ってしまうところがかなりやばいが、それにしてもこの人の作品は長さの割に無駄がない。だから止まらないのだ。
今回だって、冒頭にいきなりわけのわからない世界を提示して見せる。
最初は全く意味不明だが、主人公がその世界をうまく把握できておらず、それを徐々に把握していくという過程を踏ませることで、妙な世界を少しずつ、そしてわかりやすく説明出来ている。
また現実世界との対比もうまい。この現実世界での人間関係をいれることで、よりダークゾーンにおける人間関係のとらえ方に深みが出る。
その結果として、一気に読んでしまう。
こうやって物語に巻き込んでいくのだという御手本のような作品と言えるだろう。

ダークゾーンダークゾーン
(2011/02/11)
貴志祐介

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