とりあえず読んでみる
本の感想を思いつくままに書いています。読んだ順番ではありません。   あと非常に偏った趣味なのでその辺もご理解いただけると嬉しいです。    ※画像の大きさがおおざっぱなお勧め度です。

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再会 横関大

わりと普通の推理小説だった。
江戸川乱歩賞の作品なので、選考委員の評が書いてあるのだが、ほめるポイントが個人的にはあまり好きではない部分だったので、そういうものなのかと思った。
たぶん、「普通さ」がよかったのではないかと思う。ご都合主義具合も、登場人物のいそうでいない感じも、いかにも「普通の推理小説」っぽい。
推理小説ではよくある形として、警察が描かれ、推理小説としてはよくある形として、DVが描かれ、推理小説としてはよくある形として、殺人が描かれている。
ラストシーンが印象的で、よかったので、そこそこいい気分で終われる。
しかし、それ以外は推理小説のステレオタイプのような気もした。
推理小説としては、無茶はしていない。もちろんリアリティを追求した話だとしたら、かなりむちゃをしている部分はある。だが、この作品は「推理小説としての世界」を描いていることが随所から明らかなので、そこに突っ込むのは野暮というものだろう。
再会再会
(2010/08/06)
横関 大

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キング&クイーン 柳広司

普通の推理小説で、意外と面白かった。
意外と、と言ったら失礼かもしれないが、柳広司は人間離れした能力で解決というパターンを多用するイメージがついていたので、久々に人間の能力を超えない範囲での推理小説だったといえる。
もちろん元SPだからってやりすぎではないかと思われるところはあるのだが、もしかしたらSPというのはそうかもしれないと納得させられないこともない。

キング&クイーン (100周年書き下ろし)キング&クイーン (100周年書き下ろし)
(2010/05/26)
柳 広司

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神去なあなあ日常 三浦しをん

文章力というよりは題材で読ませる本と言えるだろうか。田舎での林業を描きつつ、多少田舎を美化しつつも、田舎の閉鎖性というものもあわせて書いてあるし、自然は美しい、なんてところで終わらず、ダニやヒルの話も書いてある。
そういうところが好感が持てた。
主人公の描き方は…まあ三浦しをんだからこんなものだろう。そこはあまり気にせずに読むほうがいいだろう。
神去なあなあ日常神去なあなあ日常
(2009/05/15)
三浦 しをん

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背表紙は歌う 大崎梢

本の営業マンを主人公にした推理小説のシリーズ第二弾。
もともとこの本が図書館に入ったので、これを予約して、第一弾の「平台がおまちかね」を読んだのだが(ブログの記事からタイムラグがわかる)、まあそれなりに楽しめないことも…と思っていたら最後の話がものすごく不快だったので、一気に冷めた。
なぞなぞのくだらなさは、まあいい。だが、自分で自分の作品のネタふって喜ぶな、と思う。
背表紙は歌う (創元クライム・クラブ)背表紙は歌う (創元クライム・クラブ)
(2010/09/11)
大崎 梢

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第二音楽室 佐藤多佳子

佐藤多佳子の久々の新刊。
小学生、中学生、高校生と微妙に年齢は違えどすべて若者と音楽を絡めた話になっている。
何がいいって、若者の描き方がいい。
子どもを「子どもらしく」描こうとしないところが、いいのだと思う。
「子どもらしく」描こうとすれば、それは大人ためのおとぎ話でしかなくなってしまう。
佐藤多佳子はあくまでも同じ目線で若者を描こうとしている。
若者だからこそうまく言葉にできない感情に振り回されていて、そしてそれをありのままに描き出している。
そこが非常にいい。
特にラストの「裸樹」はよかった。
いじめというのが人間にとってどういう影響を与えるかということがうまく描かれている。
そしてその一方で、それと向き合いながら今を生きていこうとする主人公の描き方も秀逸である。

さすがは佐藤多佳子だと思わせてくれる作品である。
第二音楽室―School and Music第二音楽室―School and Music
(2010/11)
佐藤 多佳子

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祭り囃子がきこえる 川上健一

各地の祭りに関していろいろな人が思い出を振り返る短編集。
いろいろな祭りが紹介されていて、なかなか面白い。
多少美化しすぎな話もあったが、基本的には地味な現実をきちんと生きている登場人物たちに好感が持てる話になっている。
祭り囃子がきこえる祭り囃子がきこえる
(2010/08/26)
川上 健一

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砂漠の悪魔 近藤史恵

推理小説というのとはちょっと違う。
どちらかというと政治的なメッセージとかもあるのだけど、それも本題ではないように思う。
しいて言うなら「人間の生きる価値とは何か」という話なのだが、こうして書いてみるとそれも違う気がしてきた。
確かにいろいろと不自然な設定がある。
だが、それはあまり気にならない。
むしろ面白い視点の小説だという風に感じられるだろう。
救いのないラストをあまり救いがないように感じさせないところもよかった。
砂漠の悪魔砂漠の悪魔
(2010/09/30)
近藤 史恵

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愛は苦手 山本幸久

40代の女性を主人公にした短編集。
世の中にはいろいろな幸せというか「愛」の形があるとかそんな感じのテーマだろうか。
だが、そういうかたっ苦しい小説ではない。
あくまでもこれはエンターテインメントとして深刻になりすぎないように描かれている。そしてエンターテインメントでありながら、現実的な設定であり、だからこそ楽しめるともいえる。
周囲の人物の描き方がなかなか鋭く、ああ、こういう人いるよねと思いながら読んだ。

愛は苦手
愛は苦手
(2010/01)
山本 幸久

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赤い竪琴 津原泰水

昨日書いた記事が、下書き設定になっていた。まあ原因には思い当たる節があったので、公開設定を変えてそのまま出しておいた。

さて本作の話。
久々に普通の恋愛小説を読んだ、というのが感想。
「普通の恋愛小説」といういい方をするとちょっと誤解を招くかもしれないが、端的にいえば、エンターテインメント的工夫のされていない恋愛小説、という意味である。
文学作品っぽい感じとでもいおうか。
「推理文庫」となっているが推理小説ではない。そういうものを期待しないほうがいいだろう。
一部の登場人物の行動は謎だらけだが、謎ときはないので推理小説ではないと言いきっておこう。
まあ恋愛小説としてはそれなりに面白いと思ったので、普通の恋愛小説としての評価はこうなる、というところだろうか。
赤い竪琴 (創元推理文庫)赤い竪琴 (創元推理文庫)
(2009/09/30)
津原 泰水

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製鉄天使 桜庭一樹

赤朽葉家の伝説」で、第三部の主人公(というよりは語り手と言ったほうが正しいか)の母であり第二部の主人公である毛毬の作品とされる「あいあんえんじぇる」を実際に小説化したもの、と考えるべきだろうか。
赤朽葉家の伝説の第二部とうまく重ねており、赤朽葉家の伝説を読んだ人には毛毬の視点からだとこうなるのか、と思わせる。
では、赤朽葉家の伝説を読んでいない人には楽しめないかと言うと、おそらくそうでもないと思う。
いやむしろこれを先に読んだほうが赤朽葉家の伝説が楽しめるのではないかと思うほどである。
自分の作品のネタを振って喜ぶ自己満足的な作品とは違い、これは奇妙な言葉遣いで進めながらも、赤朽葉家の伝説を知らない読者を置き去りにするような書き方はしていない。
自己満足ではなく、あくまでも新しい読者の存在を念頭に置いた形で、「赤朽葉家の伝説」をとらえなおした作品ともいえる。
だからこそただのスピンオフ作品としてでなく、独立した作品として楽しめると言える。
製鉄天使製鉄天使
(2009/10/29)
桜庭 一樹

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あなたにもできる悪いこと 平安寿子

平安寿子らしいなんとも性格は悪いが、憎めないキャラをうまく使って、「地道なカツアゲ」をしていく話。
主人公の桧垣と里奈の組み合わせがまたいい。
推理小説と違って、事件の解決方法が自分にちょっとしたもうけがあればさっさと逃げる、というスタンスなのもいい。
そして最後も変にお涙ちょうだいとか教訓を与えるとかそういう方向に走らずにうまくまとめてある。
感動は絶対にしないが、エンターテインメントとしては一級品であること間違いなしというところだろうか。

あなたにもできる悪いことあなたにもできる悪いこと
(2006/08/01)
平 安寿子

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ゆれる 西川美和

ある女性の転落事件が殺人事件か否か、ということになり右往左往する人々の話。
真相は「藪の中」みたいな感じにするのかと思いきや、きっちり種明かしをしてしまった。まあ推理小説ではないし、芥川のようなものをテーマにしているわけでもないので、それはどうでもいい話なのだが。
「あの橋をわたるまでは兄弟でした」という映画の宣伝文句が好きで、いつか読みたいと思っていたのだが、しばらくそのことを忘れていて、ようやく思い出して読んだ本。
思っていたのとは少し違ったが、思っていた以上に面白かった。
人物の描き方がいかにも女性の描いた感じがする男性像だなあという気がして、その部分が少し残念ではあるのだが、全体的な作品のよさを考えればそれはさほど大きな欠点ではない。
人物の配置、設定、物語の進め方と、うまくバランスがとれていて、誰に語っているのかよくわからない語りも妙に引き込まれる。(明白に誰に語っているのかがわかるのは早川勇のかたりだけである。)
殺人事件と言う修羅場を目の前にした人間というものの底知れなさというのがうまく表現されていると思う。
そしてそれだけ深い作品なのに、生理的な嫌悪を覚えない。たぶんその人の本質は誰にもわからないという点において勝手な決め付けをしなかったところがよかったのだろう。だからこそ無駄にあらさがしをしようという気にさせない。そういう部分もうまい作品である。
ゆれる (ポプラ文庫)ゆれる (ポプラ文庫)
(2008/08)
西川 美和

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銀河に口笛 朱川湊人

子どものころの不思議な体験を回顧録風に描いた小説。
主人公の少年らしさや、当時の時代背景などがうまく描かれており、ちょっとしたなぞもあったりして推理小説的な面白さもある。
だが、とりあえず宇宙人だからOK的な感じで片づけてしまっている部分があるような気がしなくもない。
ただ全体としてはよくまとまっているし、たぶんもう少し年上の人なら懐かしく当時を振り返りながら読める本だろう。
そういう意味ではそれなりによくできた作品と言える。
銀河に口笛銀河に口笛
(2010/03/05)
朱川 湊人

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at Home 本多孝好

NHKの年末の特番で勧められていた本の中に入っていたので読んでみました…というのは嘘で、前から図書館に予約を入れていた本です。
いろいろな家族のあり方を描いた短編集、といってしまっていいでしょうか。
突っ込みどころはいろいろとあるのですが、本多孝好は現実的でありながらも、決してそれを刃物のように突き付ける真似はしないということです。
現実は厳しい、という一本調子で描かれた作品がなぜかリアリティがあると言われることが多いのですが、そういう厳しい現実の中にも人の温かさや優しさというものがあって初めて社会として成立していると考える私としてはそういう厳しいだけの世界というものには違和感を覚えます。
しかし、この作品はそういう厳しい現実の中にある人の優しさを描き出しており、現実は厳しいけれど、捨てたものではないという希望があり、そして「家族」や「幸せ」を枠にはめずに描きだしたところも本当にいいと思います。
久々に新年一発目でいい本を読んだという感じでした。
at Homeat Home
(2010/10/27)
本多 孝好

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