とりあえず読んでみる
本の感想を思いつくままに書いています。読んだ順番ではありません。   あと非常に偏った趣味なのでその辺もご理解いただけると嬉しいです。    ※画像の大きさがおおざっぱなお勧め度です。

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小暮写真館 宮部みゆき

宮部みゆきの現代ものとしては久々に面白い作品だった。
英雄の書も楽園も何か今一つだったが、今回は、いかにも宮部みゆきらしい推理小説で、文体に少し違和感があったものの、最後まで楽しめた。
基本は「小暮写真館」を買い取った妙な親のせいで、写真に関する謎を解く羽目になった、といえばいいだろうか。まあ多少違うのだが、スタートはこれである。
で、写真についての推理を展開する。
これでいいの?と思う部分がないわけではないし、登場人物に違和感がないわけでもない。
だが、それでも十分に楽しめた。
推理小説とはそもそもこれでいいのだと思う。
奇を衒って結局破綻している推理小説もときどき見かけるが、そういうくだらないことをするくらいなら、こういう形で派手な事件を起こさず、うまく処理してもらいたいものだ。
驚きを求める人には高い評価は得られないかもしれないが、安心感のある作品といえるだろう。
小暮写眞館 (100周年書き下ろし)小暮写眞館 (100周年書き下ろし)
(2010/05/14)
宮部 みゆき

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鈍感力 渡辺淳一

渡辺淳一の勝手な理屈付けを延々と展開した本。
まあ文章がうまいので読みやすい。
一見、医学的な根拠をにおわせつつ、実は理論的にはつながっていないので、そういうきちんとした医学的根拠に基づいて的に思うととんでもない目にあう。
医者だったという経験に基づき、としているところがなんともあくどい。
医学の本としているわけではないから法律上は問題ないが、かといってこれをまともな本だと思わないほうがいい。
まあ、せいぜいあまり敏感すぎない程度に生きましょう、くらいで読んでおくのがベターだろう。
ベストセラーというのは、数年後に読むとくだらない本だった、というのが往々にしてある。
これもその類だったというだけのことか。
鈍感力鈍感力
(2007/02/05)
渡辺 淳一

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悪と仮面ルール 中村文則

おそらく中村文則の最高傑作だろう。
前作「掏摸」も見事だったが、もっと根底から揺さぶられるようなすさまじさがこの作品にはある。
かといって、表面上は決して激しくない。まあたいていの場合、語り手が勝手に興奮している作品ほどこっちは白けてしまうものだから、この物語の強烈な印象というのは語り手の冷静さによる部分もあるだろう。
「邪」となるべく育てられた少年が、人生を変えようとする物語、というとあまりにも安っぽく聞こえてしまうだろうか。
この作品は推理小説のようにいくつか事件を起こす。その真相の描き方も登場人物の翻弄のされ方も、本当に見事だ。
だが、この作品の魅力は、主人公と周りの人間とのやり取りにある。
ろくでもない父、探偵、兄、JLの関係者、刑事、香織、恭子…これらの人物の言い分にそれぞれ説得力があり、だからこそ真剣に読まされてしまう。
特に兄・幹彦と対峙するシーンは素晴らしい。戦争と、一般大衆の愚かさと、それを利用する人間と、悪の側からの言い分が本当に見事だ。
いろいろな資料をつかっても全く社会問題を提起しえなかった、親の七光り作家の作品とはレベルが違う。
中村文則は、資料を読みこんだ上で、作品の中に取り入れた。その裏付けがあるから、登場人物の台詞がただの狂人の言葉では終わらず、現在の日本への警鐘となりうるのである。
政治色があるため、戦争がやりたくてたまらないという人には勧めないが、そうでない人なら読んで損はない作品といえるだろう。
悪と仮面のルール (100周年書き下ろし)悪と仮面のルール (100周年書き下ろし)
(2010/06/30)
中村 文則

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13歳のシーズン あさのあつこ

おそらく10代向けの本なのでしょう。
主人公が中学1年生で、全体的にあまり難しい内容は書いていませんし、変な言い回しもしていません。
そういう意味では広い年代の人が読める本だと言えるでしょう。
全体的に読みやすさを追求した感じになっていて、すぐに読めますが、小説を読みなれた人だと物足りなく感じるかもしれません。
また非常に短い話をつないでいく形になっているので、全体的にちょっとぶつぎれな印象を受ける人もいるかもしれません。
ただ、あまり本を読みなれていない中学生に対して、これから本を読もうという気にさせる本としてはいいのではないかと思いました。
(そういうわけですから、小学生のうちからかなり読みこんでいる人には勧めません。)
13歳のシーズン (BOOK WITH YOU)13歳のシーズン (BOOK WITH YOU)
(2010/10/20)
あさの あつこ

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巴之丞鹿の子 近藤史恵

近藤史恵のシリーズで唯一手をつけていなかったのが、この猿若捕物帳のシリーズ。
というわけで手をつけてみたのだが…
時代小説というのは推理小説的に非常に都合がいい。
今のように携帯もなければ、指紋の照合、DNA鑑定といった科学的な捜査を一切考慮せずに、事件が考えられるからだ。
ただ、問題は現代と違うので、どうしても時代背景の説明が必要になる。
その時代背景をどこまで説明するかという話だが、その説明具合も多すぎず、少なすぎずで、しかもうまく物語の中に入れてあるので、違和感なく読める。
これだけほめていて、じゃあなんで小さい画像なのかというと、この作品の欠点はただ一つ。
登場人物に魅力がない。
これが本当に致命傷なのだ。多少物語の荒さがあっても登場人物に魅力があれば、その人をもっと知りたい、と感じ、結果的に物語に無理矢理でも入り込める。しかし、魅力がないとどうしても物語を外から見ているだけで、中には入れる感じにならない。
この作品もなかなか感情移入できず、物語に入り込めないから、勢いに乗れず、最後まで外野スタンドの一番後ろから眺めているような感覚が抜けなかった。
推理にも時代背景をうまく使って、丁寧に構成されているだけに、そこが残念だった。



とはいえ、私は時代小説がかなり苦手なので、普通の人には楽しめるかもしれない、とだけは書いておこう。
巴之丞鹿の子―猿若町捕物帳 (光文社時代小説文庫)巴之丞鹿の子―猿若町捕物帳 (光文社時代小説文庫)
(2008/12/09)
近藤 史恵

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感応連鎖 朝倉かすみ 

毎回ぼろくそに書いてるくせについつい読んでしまう朝倉かすみ。
最大の理由は図書館に置いてあるからに他ならない。
「あ」だとだいたいあさのあつこを探すので、すぐ見つかるんですね。
まあそれから、面白くなりそうな要素はいろいろあるのに、なんでこういう書き方するかなあというのがいつも思うこと。
今回だって登場人物をうまく組み合わせたようでいて、結局妙な感じになってしまっただけのように思える。
「女」を強調したいのか、人の悪意を描きたいのか、思い出を振り返る感じにしたいのか、どれも中途半端で、登場人物も個性的というよりはただ気持ち悪いだけに映る。
微妙に目的の定まらない感じなのが余計苛立たせるのかもしれない。
もったいないなあと思う作品である。
感応連鎖感応連鎖
(2010/02/20)
朝倉 かすみ

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ファミリーツリー 小川糸

こういう村上春樹の出来そこないみたいな作品は評価に値しない。
うじうじした男が出てきて、女に筆者の言いたいことを直截的な表現で言わせ、とりあえず性行為に及ぶ。
一人称が「僕」で延々と回想し続ける。しかもその回想シーンが妙に不自然ときている。まったくばかばかしい。
生または死を安っぽく描くとはまさにこういうことだ。
こういう作品を書くのなら、せめて女のせりふに強烈なメッセージ性を込められなければだめだろう。
あるいはもっと表現に凝った作品にするとか。
一体何がしたいんだか見えてこない。
ただ適当に言葉を並べただけの自己満足でしかないと思った。
ファミリーツリーファミリーツリー
(2009/11/04)
小川 糸

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神様のすること 平安寿子

母の介護や父の死などをきっかけに自身の過去を振り返ってつづったエッセイ。
人間の描き方がいかにも平安寿子らしくて、実在の人物までこうもばっさりを切ってしまうところがなかなかいい。文章も読みやすく、テーマ自体は決して軽いものではないのだろうが、深刻にならずに読むことができる。
死を扱った小説をすぐに死の描き方が安っぽいとけなすしか能のない連中は、このエッセイをどう読むのだろう。
リアルな死ってのは意外とこういう書き方のほうがふさわしいんじゃないかと思う。
神様のすること神様のすること
(2010/01)
平 安寿子

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球体の蛇 道尾秀介

ミステリーというには少し変わった作品である。
昔、きらきらひかるとかいうドラマで小林聡美が「事実は一つだけど、真実は一つじゃない」とかなんとかいう台詞を言ってたのをふと思い出した。
この作品で、謎、要するに推理の対象となるのは、「真実」のほうではないかと思う。
「事実」ももちろん推理の対象となるが、サヨの行動の謎は最後までよくわからない。
むしろナオや智子といったほかの人物の行動の「真実」を考えさせる作品といえるだろう。
そして、この作品は答えを最後までぼかす。つまり「真実は一つじゃない」ところにもっていく。
主人公の推論がどこまで当たっているか、それは解釈の問題だろう。
だが、たぶん「事実」は多くの人が同じ結論に行きつくだろうが、「真実」は読み手によって異なるのではないだろうかと思う。
球体の蛇球体の蛇
(2009/11/19)
道尾 秀介

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この世は二人組ではできあがらない 山崎ナオコーラ

山崎ナオコーラにしてはかなり主張が強い本だなと思った。
作家としてデビューするまでの描き方が、なんとなく山崎ナオコーラに重なって見えたので、自伝的小説なのかもしれない。
社会が要求する「男」としての役割、「女」としての役割、そういったものに強い疑問を呈している。
しかし、男が就職する会社の名前(実在する)をはっきり書いていいのだろうか?
とか書くとネタばれになってしまうかもしれないが、まあ推理小説ではないから、この程度のネタばれは許していただきたい。
この世は二人組ではできあがらないこの世は二人組ではできあがらない
(2010/02/24)
山崎 ナオコーラ

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さすらい猫 ノアの伝説 重松清

久々に重松清の本を読みました。
子供向けの本なのでわりとすぐに読み終わります。表紙の絵が「ステップ」の絵を描いた杉田 比呂美さんですね。
内容は、主人公の設定を小学5年生にして、思いっきり子供向けに展開させます。
そしてちょっと作りすぎなくらいに根はいい子という登場人物たち。
普通に考えればあまりにもいい人すぎてありえないのですが、重松清が書くと、妙にありそうな感じになるのが不思議ですね。
ノアの設定がファンタジーなので、その半分ファンタジーなところがこの物語に説得力を与えたのかもしれません。
子供向け文章ですが、でも本当にこういうのを楽しむのは子どもに戻りたいタイプの大人ではないかと思いました。
さすらい猫 ノアの伝説さすらい猫 ノアの伝説
(2010/08/04)
重松 清杉田 比呂美

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平台がおまちかね 大崎梢

事件があまり大規模なものにならないのはいい。だが、主人公の描き方がどうにかならないものか。
だったら「配達赤ずきん」のほうがまだましだ。
大崎梢は子どもを主人公にした話は面白いのに、主人公を大人にした瞬間、どうしてこうもくだらなくなるのだろう?
ひつじ君のあまりの不自然さというか、何か決定的なところで作り物っぽい人格が最後までこの物語に入り込むのを拒んでいたように思う。
途中の変な仕事の日誌みたいな文章も別に面白いと思えず、無駄にページを割いているようにしか見えなかった。
平台がおまちかね (創元クライム・クラブ)平台がおまちかね (創元クライム・クラブ)
(2008/06)
大崎 梢

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ひそやかな花園 角田光代

この本はおそらくミステリーといっても通る。おそらく「このミステリーがすごい」だったら投票していい部類の作品ではないだろうか?
最初は思い出の中の「キャンプ」の真相、子どもたちの共通点という謎から始まって、徐々にそれぞれの両親の考え、そして自分がどうしたいのか、という方向に展開させていく。
そしてたぶんここで読者が答えを出さなければならない最後の謎が「家族とは何か」ではないだろうか。
この本ではさまざまな人物を用いて家族に対するいろいろな考え方を出し、基本的にそのどれも「あり」だと思わせる。
そういう風に展開させながらも、決してばらばらな感じにならないようにきれいに収束させていく終わり方もいい。そのため、よい推理小説を読んだ後のようなすっきり感がある。
角田光代が「狂気」を描くのがうまいことは前にも述べたが、その一方で、困難に向き合う人間の強さも見事に描いている。
これはそういう角田光代らしさを余すところなく発揮した作品といえるだろう。

本筋とはあまり関係ないのだが、個人的には紀子がキャンプで会った人々と再会した後に、自宅に戻って夫に向けていったセリフがなかなか気にいっている。
こういう細かいところがなかなかいいのも角田光代らしいかもしれない。
ひそやかな花園ひそやかな花園
(2010/07/24)
角田 光代

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夜市 恒川光太郎

タイトルに見覚えがあったので、何年か前に推理小説かなんかの賞をとった奴だと思っていたら、ホラー小説大賞だったというオチ。
ホラーとしてのレベルもすごく高いのだが、最後の展開はなかなか予想ができないもので、短いミステリーとしても十分楽しめる。
夜市の後に収録されている「古道」についてもありきたりな結末にはもっていかないところがなかなかいい。
すぐに読み終わるが、意外とあとをひくので、読んで損はない。
夜市 (角川ホラー文庫)夜市
(2008/05/24)
恒川 光太郎

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勝手にふるえてろ 綿矢りさ

なんかこう突っ込みどころはいろいろあるのだけど、なぜか一気に読んでしまった。
なんだこのゆるいけど強力な引力は。
序盤はほんとにちょっとイカれた女のわけのわからない語りにしか思えない。そしてたぶん終盤までそんな感じで展開されるのだが、それでも途中でやめてしまおうという気にはなぜかなれない。
登場人物の描き方が薄っぺらいようにも思えるが、だが、こういう話だからこそ、むしろ登場人物を深く描いてはならない。そこをわかってやっているのだろう。
この思い込みの激しい主人公の女の描き方が本当に絶妙で、この結果として最後まで読んでしまうのだ。
やはり綿矢りさは只者ではないと思った。
勝手にふるえてろ勝手にふるえてろ
(2010/08/27)
綿矢 りさ

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グラウンドの空 あさのあつこ

基本的にこういうところを描いた本が好きなのだろうなあ、僕は。
透哉の過去(ってほど過去でもないが)の話が個人的には非常に気に入っているポイントで、正直、野球はどうでもよかった。
中学生のころの人間関係のもろさというのがよく出ている。
田舎礼賛には少々閉口するのだが、それでもあさのあつこの描く中学生はとても魅力的だと思った。

人によってはバッテリーと大差ないとかなんとか批判しそうな気もしないでもないが、まあいいじゃないですか。

グラウンドの空グラウンドの空
(2010/07/17)
あさの あつこ

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