とりあえず読んでみる
本の感想を思いつくままに書いています。読んだ順番ではありません。   あと非常に偏った趣味なのでその辺もご理解いただけると嬉しいです。    ※画像の大きさがおおざっぱなお勧め度です。

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光媒の花 道尾秀介

微妙に登場人物がつながっている短編集というべきか。連作というほどはリンクしていないように思うので、変な表現になってしまったが。
前半はどちらかというと気持ちの悪い感じで後半はわりと気持ちのいい感じの話になっている。
推理小説の短編集というのはわりと気持ちの悪いのを集めるか、楽しめるものだけを集めるかで、本のカラーを統一しているものが多いと思うが、この本は、気持ち悪い作品と、気持ちのいい作品を同じ雰囲気の中で共存させている、比較的珍しいタイプの推理小説の短編集だと思う。
クマザサだのシロツメクサだのアジサイだの花をとりいれることで、ちょっと文学的な雰囲気でも出そうとしたのだろうか?これはこれでありだと思うが、道尾秀介ってあまり花が好きではないのかなと少し思った。どこか置き場所に困った感じに思えた。
もちろんこれは気のせいと言えば気のせいなので、作品の価値を下げるほどのものではないが。
光媒の花光媒の花
(2010/03/26)
道尾 秀介

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森に眠る魚 角田光代

この人は普通の人の持ちうる「狂気」をどうしてこうも鮮やかに描けるのだろう。
ここに出てくる母親たちはどこにでもいそうな人たちで、だからこそ、余計に恐ろしい。
今のところ自分にはこういう感情はない。だが、こういう狂気が自分の中に全くないといえるだろうか?
男だから関係ないとはとても思えなかった。
もしかしたらいわゆるモンスターペアレントも意外と普通の人なんじゃないだろうかと思ったりもした。
ミステリーでもないのに、このあとどうなるのだろうとはらはらしながら読んでしまった。
森に眠る魚森に眠る魚
(2008/12)
角田 光代

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これでよろしくて? 川上弘美

川上弘美にしては面白かった。
ちょっと前に多少話題になったから読んでみたというだけで、全く期待していなかったし、それどころか時間の無駄本だろうくらいに思っていたのだが、今まで読んだ川上弘美の本の中で、初めて面白いと思った。
私が女性の生態というものをよく知らないのが最大の理由かもしれないが、今まで無駄に文字を並べたにすぎないようにしか思えなかった川上弘美の文章が、この作品においてはむしろその議題を大まじめに議論する「これでよろしくて?同好会」のくだらなさを効果的に描き出しているように思える。
私が川上弘美を嫌うポイントを完全に逆手に取った作品と言えるかもしれない。
ただ川上弘美の従来の作品が好きな人には批判されるかもしれない。あくまで川上弘美が嫌いな人に向いている本と言えるのではないか。
これでよろしくて?これでよろしくて?
(2009/09)
川上 弘美

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地取り 飯田裕久

警察ものの知識はあります、警察とはこういう組織です、みたいな本。
推理小説というにはあまりにもお粗末。登場人物の描き方が妙に薄っぺらく感じられて、何か「警察のお仕事」的なバラエティ番組でも見せられているような感覚に陥った。
もう少し丁寧に人物が描けていたら最後のほうの決め台詞も効いたのにと思うが、これでは感動とかそういう方向では読めない。
だが、時間の無駄かというとそうでもない。
たとえば、普通の推理小説では描かれないようなシーン(令状をもらいに行くところ)などなかなか面白い視点もあり、そういう意味では楽しめる。
つまりミステリーとしては面白くないが、警察の仕事をわかりやすく紹介する作品としては読みやすいし、参考になる本だと言えるので、これはこれでありだと思う。
地取り地取り
(2009/05/07)
飯田 裕久

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かけら 青山七恵

推理小説が続いたので、ちょっと違うものを。
久々に青山七恵の本を読んだ。
近所の図書館においてなかったのが最大の理由だったのだが、別の図書館に行ったらいろいろあったのでまずこれを。
短編集で、3つしか入っていないので、わりとすぐ読み終わる。
内容は、わりと普通の小説で、人によっては中身がないという批判をするかもしれない。
しかし、書き込んでいないというのと中身がないは異なるのではないかと思う。
青山七恵のいいところは、無理をしていないところだと私は思っている。
うまく言えない何かをうまく言おうとするんじゃなくて、そのまま伝えようとしているところが彼女の良さではないかとそう思うのだ。
この作品も「だから何?」と言ってしまえばそれで終わる。
だが、そんなに結論を明確にしなければいけないものばかりではないだろう。
あまり神経をつかわずに、のんびりした気分で読むことをお勧めする。
かけらかけら
(2009/10/01)
青山 七恵

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カラスの親指 道尾秀介

道尾秀介にしてはずいぶん感じのいい推理小説だった。たいていはホラーに近いグロい話にもっていく道尾秀介だが、今回は殺人事件ではないし、詐欺師を主人公に、なかなか面白い推理を展開させる。
最後ほうののせりふもなかなかいいと思ったし。ただこれを書いてしまうとネタばれになりかねないので、書けないのが残念だが。
人間を描くためにミステリーという形をとっている、という道尾秀介の言葉からすれば、この作品こそまさにそれに当たるといえるだろう。
登場人物がとてもうまく描けていて、今までの道尾作品の中でも特に好感が持てた。
これを批判している人たちはミステリー寄りで読んでしまったか、もしくは終盤の決め台詞が耳に痛かったのではないだろうか?後者に該当しそうな人が結構いるんじゃないか?と書評を読みながら思った。
カラスの親指 by rule of CROW’s thumbカラスの親指 by rule of CROW’s thumb
(2008/07/23)
道尾 秀介

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WILL 本多孝好

MOMENT」の7年後の話、という設定で、今度の主人公は神田の幼馴染・森野。
葬儀屋としていろいろと事件を解決する推理小説と思っていい。
主人公の立場が違うからなのか、前回感じたような不快感がない。また実際に何かを起こす「MOMENT」に対し、こちらのほうは、ただ持ち込まれる話を解決するパターンなので、わりとオーソドックスな推理小説に近いといえるかもしれない。殺人事件とかが起きるわけではないので、安心して読めるし、話も無理していない。
しいて言うなら神田の設定に無理があるような気がするのだが、まあでもそういう人もいるかもね、で押し切れないことはない。
全体的にMOMENTを超える作品になっていたのではないかと思う。
WILLWILL
(2009/10/05)
本多 孝好

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2周年記念

2周年記念…まあ普通は2周年ってのはあまり記念でもないかもしれませんが。
昨年と同じことをやるだけですが、このブログの過去記事の傾向を調べてみました。

過去1年で紹介した作家ランキング ※日付は最新記事
①10回(14冊) 重松清 5.06 
②8回(8冊) 有川浩 5.24
③7回(7冊) 米澤穂信 5.31
④6回(6冊) 恩田陸 7.10
④6回(6冊) 道尾秀介 8.03 
④6回(6冊) 平安寿子 9.01
⑦5回(5冊) 石田衣良 4.11
⑦5回(5冊) あさのあつこ 6.03
⑦5回(5冊) 大崎梢 7.07
⑦5回(5冊) 森見登美彦 8.23
相変わらず重松清が強い(2年連続1位)のだけど、Blogramからは外されている。なんでだろう?
有川浩が急上昇。ちょっとエンタメ系の本が読みたい気分だったのかもしれない。
昨年3位の石田衣良と昨年4位のあさのあつこが同じ7位に入っている。この辺は今後もしばらく読み続けていくのだろう。

通算
①23回(27冊) 重松清
②14回(14冊) 石田衣良
③13回(14冊) 近藤史恵
④12回(12冊) 有川浩
⑤11回(11冊) あさのあつこ
⑥10回(10冊) 角田光代 
⑦9回(9冊) 恩田陸
⑦9回(9冊) 道尾秀介 
⑦9回(9冊) 森見登美彦
⑦9回(9冊) 平安寿子
11位以下はこの通り。
8回(8冊) 吉田修一
7回(7冊) 瀬尾まいこ
7回(7冊) 米澤穂信
6回(8冊) 三浦しをん
6回(6冊) 山崎ナオコーラ 
6回(6冊) 大崎梢
6回(6冊) 東野圭吾
6回(6冊) 桜庭一樹 
6回(6冊) 椰月美智子 
5回(5冊) 畠中恵 
5回(5冊) 万城目学 
5回(5冊) 朝倉かすみ 
5回(5冊) 宮部みゆき 
5回(5冊) 久保寺健彦 
瀬尾まいこと吉田修一は単純に昨年から今年にかけてあまり本を出さなかったから、というのが大きい。
近藤史恵も同じだろう。

blogramではなぜか推理小説で1位を突っ走っている。
これからも推理小説をもっと読みなさい、ということなのかもしれない。


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相変わらずの適当な更新ですが、これからもこのBlogをよろしくお願いします。

MOMENT 本多孝好

WILLとまとめて書くつもりだったのだが、WILLとなんか系統が違うような気がしてきたので、さきにこっちだけ。
病院で死の直前に願い事を一つだけかなえてくれるという必殺仕事人の噂がある。
その仕事人の話、というとちょっと時代劇っぽいが、その依頼の真相を考えるという意味での推理小説である。主人公の性格が本多孝好のいつものパターンにはまっているというか相変わらず現実から離れたところで生きたがるくせに、現実を知っているかのような立場から語るので、少々不快な点がないわけではない。
私が不快に感じる点は、自分には「現実」が見えているけれど、それを受け止める気はないよ、といいつつ、必死に「現実」を受け止めて生きている人たちをお前らには「現実」が見えてないというような少し見下した態度で見ているように感じるところである。
しかし、最後の話のもともとの仕事人のうわさに関する事件の解決策がわりとよかったので、最終的には決して悪い気分にはならないと思う。
MOMENT (集英社文庫)MOMENT (集英社文庫)
(2005/09/16)
本多 孝好

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市立第二中学校2年C組 10月19日月曜日 椰月美智子

10月19日月曜日という日の2年C組の生徒たちのある一瞬を切り取ってつなげたような作品。
短い話で徐々に時間が進んでいく。
特に大事件もないし、それなりにリアリティはあるのだけど、少し気になったのが、椰月美智子がこれだけの人数をさばき切れていないこと。
何度も最初のクラスの座席表を見返しながら読む羽目になった。
ただ難しいところではある。これでやたら説明を入れてしまうと作品を損なうだろうし、だからといってこれではやはり何度も座席表を見返すことになり、ちょっと不便である。
全員を1回ずつ主人公にした、というのであればよかったのだが、複数回登場する子もいれば、一度も主人公になっていない子もいる。
そういう構成なら、何もさばききれないほどの人数を扱わなくてもよかったのではないかと思う。
この結果、数人の男子が多少うそっぽい感じになっているのもちょっと残念なところである。
発想としてはおもしろかったし、話もそれなりのレベルにはあるのだが、もうちょっとでいい作品になりそこなったように思う。
市立第二中学校2年C組市立第二中学校2年C組
(2010/08/04)
椰月 美智子

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ぼくらのひみつ 藤谷治

「船に乗れ!」が話題になっていたので、とりあえず何か読んでみようと思ったのだが…
ある特定の時刻から動かない、という設定だけならまあ許すとしても、結局この本は「文学的」なものに酔いたいだけの人のための本だとしか思えない。
要するに題材なんかどうでもよくてあとはどう描くかとかそういう話になっている気がする。
リアリティも追及してはいけないし、何か生産的な行動を要求してもいけない。
何より面白ささえもこの本には要求してはならない。
最後の動詞の羅列に行きついた時は、もうそろそろうんざりしていたころだったので、こんなに並べ立てて文学的とかどうせ言うんだろうなあと、もはや意地の悪い解釈しかできなかった。
「想像力の文学」と書いてあるが、何か想像力が書きたてられる本というよりは忍耐力が要求される本ではないかと思う。
変な方向での独創性を追求し、めちゃくちゃなものを書けばそれでいいみたいな部分もあるような気がして、正直、時間の無駄だったような気がしないでもない。
ぼくらのひみつ (想像力の文学)ぼくらのひみつ (想像力の文学)
(2010/05/07)
藤谷治

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ぬるい男と浮いてる女 平安寿子

タイトルの通り、「ぬるい男と浮いてる女」を描いた短編集。
ちょっと変な人たちなのだが、妙にリアリティがあってなかなか面白い。
あまり深刻にならずに軽く読める本なので、「悪の教典」を読んだ直後にはちょうどよかった。
深刻に読めないこともないのだが、やはり平安寿子のスタンスを考えると、それはしないほうがいいだろう。
ぬるい男と浮いてる女ぬるい男と浮いてる女
(2009/10)
平 安寿子

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