とりあえず読んでみる
本の感想を思いつくままに書いています。読んだ順番ではありません。   あと非常に偏った趣味なのでその辺もご理解いただけると嬉しいです。    ※画像の大きさがおおざっぱなお勧め度です。

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渡りの足跡 梨木香歩

梨木香歩のエッセイで、彼女らしい話が書かれている。
序盤がちょっとくだらないので、一瞬読むのをやめようかと思ったが、くだらないのは最初だけで、途中からはなかなかいい本に仕上がっている。
春になったら苺を摘みに」でも書かれていた日系人のエピソードがなかなかよかった。
梨木香歩は感動の押し売りをしないところでの調整がうまいと思う。
渡りの足跡渡りの足跡
(2010/04)
梨木 香歩

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プリズン・トリック 遠藤武文

こういう推理小説は好きになれない。
筆者の立ち位置がよくわからない。この人は一体この本にどんな主張を込めたいのか、全体的に妙にふらついている印象を受けた。
その最大の原因が、ラストにある。ああいう最後の「種明かし」は無駄だった。というかその構造にしたがゆえに、多少不自然ではあったが、いろいろと抑え込んできた問題を一気に噴出させる結果となった。
まず、殺人事件を扱う際には、
1、どうやって殺したのか
2、なぜ殺したのか
というのが主要な問題となる。
そしてこの本、途中で「3、なぜ刑務所で殺したのか」という問題を作りだす。
1はこの本で唯一まともに解答がなされている。
しかし、2と3については会話の中でそれらしい理由を作りだすのだが、それを最後にひっくり返す展開にしたため、結局あいまいなまま終わる。
もちろん2については伏線がしかけてあるので、もしかしたらそういう理由かも、と言えないこともない。
だが、それだって不自然な点は多い。もしその理由が本当の理由なのだとしたら、ちょっと偶然が重なりすぎる。あいつはどこまで知っていたのかとかさらに謎を呼んでしまう。
3の刑務所内で殺す必然性も、ない。
最後のあれがなければ、まあ理由の説明がつけられないこともないが、最後ああなった以上、なぜ刑務所で殺したのかの答えは出ない。
つまり自分で謎をさんざん出しておいて、その答えを考えていないのだ。
その点においていい加減な推理小説と言われても反論できまい。
確かに交通刑務所については丁寧に調べてあると思う。が、それ以外には詰めの甘さがかなりあったように思える。最後に余計なことしなければ問題がないとは言わないが、ここまでひどい結果にはならなかったのではないか。
殺す必然性のない人間まで殺し、何もここまでのけがにしなくてもよさそうな人間に重傷を負わせ、無理に無理を重ねた作品であるといえる。
推理小説としてなら最初のどうやって殺したかだけに焦点を当てた作品にしてもよかったと思うのだが、なぜこんな気持ち悪い作品にしてしまったのか最後まで理解できなかった。
立ち位置をはっきりさせておけば、最後は読者が想像で埋めてくれるだろうに、こんなふらふら人間の出したいい加減な謎の答えを想像で埋めろったって理論的に破綻したものしか導き出せないんだがなあ…
プリズン・トリックプリズン・トリック
(2009/08/07)
遠藤 武文

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夏色ジャンクション 福田栄一

最近、気持ちの悪い本が多かったので、久々にいい気分になる本を読んだという感じである。
仕事を辞めた男が得体のしれない老人と旅をする物語、といってしまえばありきたりなテーマにも思える。
実際、そこまで奇抜な内容は何も書かれていないし、旅についてもいろいろと無理はある。
だが、それを振り払うほどの魅力がこの本にはある。
たぶんそれは「一般人的な人間臭さ」である。
主人公はどちらかと言えばいい人、という程度の人間である。だが、ここ数年、こういった主人公はあまりいない。どちらかといえば悪い人、もしくは明らかに悪い人というのが多い気がする。
どちらかと言えば悪い人、くらいなら人間なんだから仕方ないじゃんくらいで押し切られればそれで済むのだが、明らかに悪い人を主人公に据えられて、それが人間の本質だといわれてもさすがにここまでひどい人間が多数派のわけがないだろうと言ってやりたくなる。
だからこの主人公のちょっといい人、くらいの設定はかえって新鮮で、いい人すぎないところがまたいい味を出している。
そのため、この旅は妙に魅力的で、冷静に考えればやりたいとは思わないような旅の仕方なのにうらやましく思えてしまう。
読んだ後も、現実は何も変わってなくても何かいい方向に進んだ気分にさせてくれる。
そういう夏にふさわしいさわやかな本だと思う。
夏色ジャンクション夏色ジャンクション
(2010/05/20)
福田 栄一

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道徳という名の少年 桜庭一樹

桜庭一樹の本で途中で辞めようかと思ったのは初めてだった。
ものすごく短い本なのだが、変に文学的に凝りすぎた感じで、桜庭一樹の持つ衝撃性を殺している気がした。
現実から乖離させようとすればするほど、その衝撃性は薄くなる。なぜなら近親相姦は神話の世界では大いに許されているように、世界観によっては必ずしも否定されるものではないのだ。
近親相姦が背徳とされるのは、人間がそういう種類の動物であるからという理由による。
逆にいえば、ファンタジーの世界ではそれを背徳とするには理由付けが必要になる場合があるということだ。
この作品ではいくらか妙な方向に話を展開させてしまったために、この世界においてそれが本当に背徳なのか、という疑問を生じさせてしまっている。
またとりあえず外見が優れている人間を無駄に登場させるのもどうかと思う。
美しさは生物学的な価値しか持たないという路線で、生物学的な観念を重視するがゆえに近親相姦は背徳である、という形で理論を通せばよかったのだが、なぜか美しさを金に換え(生物学的な価値とは別の価値を与え)、理論的にあやふやな形にしてしまっている。さらにまずいことに作中で美しさを大安売りしているので、その価値を表すこととして娼婦としての功績くらいしかあげることができないというそれって価値があるのかという疑問の余地が残る評価しかできていない。
結果として何か納得できない気持ち悪さが残る。
まあたまにはこういう本を書くのもありだと思うが、桜庭一樹はどちらかといえば自分の持つ美学から逃れられないタイプだ。桜庭一樹の美学がうまく作用すれば強烈な衝撃を与えられるが、現実世界から乖離した世界においてその美学が必ずしも現実的な話と同じような効果をもたらすとは限らない。
固定観念にとらわれがちな桜庭一樹はこういう作品を書くとその窮屈さがかえって目に付いてしまうという気がした。
道徳という名の少年道徳という名の少年
(2010/05/11)
桜庭 一樹

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アネモネ探偵団 香港式ミルクティーの謎 近藤史恵

近藤史恵としては初の子供向けの推理小説ということだったが…
なんだこれ?
子供向けと銘打っていれば何やってもいいのか?
事件がひどい。何だ?このおざなりな構成。
近藤史恵らしくもない。
動機に無理があるのは多くの推理小説のパターンだが、それにしてもこれはひどすぎる。
コストをここまでかけて、これだけのリスクを負うのに、なんでこんな程度の動機なんだよ?!
設定の妄想加減はまあ許容範囲としても、全体的にあまりにも無理がありすぎてとてもとても近藤史恵が書いたとは思えなかった。
子供向けならこの程度でいいだろうというバカにした感じが漂っていて、かなり悪質な推理小説と言っていいだろう。
シリーズ化するつもりらしいが、こんな駄作をシリーズ化するくらいなら別の作品をもっと書いてもらいたいものだ。
アネモネ探偵団 香港式ミルクティーの謎アネモネ探偵団 香港式ミルクティーの謎
(2010/03/17)
近藤史恵

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花と流れ星 道尾秀介

推理小説家の道尾秀介なる人物が登場し、心霊現象探究所の真備が事件を解決するシリーズ。
つまり骸の爪と同じシリーズ。
そして同じミスをやっている。短編集だったせいか、一つの話の中で繰り返し「福島の事件」が出てくることはなかったが、「骸の爪」のネタをつかってしまっているので、もしこれを先に読んでいたらネタばれになる危険性がある。
ほかにも骸の爪のときは仏教についていろいろ調べていたくせに、エジプトの神話についてはちゃんと調べていないとか、いろいろと突っ込みどころはあるのだが、今回はまあエンターテインメントの範疇からはみ出てはいないので、そこまで気にしなくてもいいだろう。
しかし単体で読ませられない作品を書くのなら、シリーズであることを明示してほしいのだがなあ…
花と流れ星花と流れ星
(2009/08)
道尾 秀介

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喋々喃々 小川糸

女性ファッション誌にはあこがれのデートプランのようなものを小説風に紹介する記事があるらしい。
小説風というと大げさだが、まあこんな感じのデートはどうでしょう、と具体的にイメージができる程度の文章という程度である。
この本は、そのノリで「こんな不倫プランはどうでしょう」と提案している本といえる。
そこには都合の悪いことは書かれていない。というか主人公は奥さんに悪いとか文中ではいいつつも結局不倫をきれいな恋でごまかそうとしている。
その路線だったら、結局女性ファッション誌の記事と同レベルということになる。
お店や服装の紹介を目的にする女性ファッション誌と同レベルの小説ってどうなの?というツッコミはあるが、別にそんなことは問題ではない。小川糸の考える東京デートプランの紹介本であって、小川糸の好みの店が出てくるにすぎない。
個人的にはオザワ洋菓子店もつる瀬もTIESも出てくるのに、壺屋が出てこないのが不満であるが、壺屋は見た目がおしゃれではないから小川糸の好みではないのだろう。
わかりやすいくらい小川糸の趣味を並べ立てた本といえる。
ただこういう本は実はあまり嫌いじゃない。
というのも、残念ながら一部の男はこういう女が大好きだというところはうまく描かれているし、男性キャラの考えていることがよくわからない分だけ、ほころびが少なくてすんでいる。
また好き嫌いがはっきり描かれているので、こういう人なんだな、ということがよくわかるので、最初から余計な感情移入をしなくて済む。
そういう意味ではそこまでぼろくそに言わなくてもいい本だと思う。
喋々喃々喋々喃々
(2009/02/03)
小川 糸

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聖女の救済 東野圭吾

ガリレオシリーズのいいところは、トリックしか問題にしていないところだと思う。
逆にいえば、最初の前提で突っ込みどころ満載の「容疑者Xの献身」はこのシリーズとしてはあまり好きになれない。
東野圭吾が刑事ものなんてはなっから矛盾を抱えているようなものだが、トリックを暴くことだけに焦点が当てられているこのシリーズでは立場がどうであろうと、ただ謎ときとして楽しめる。湯川自身は警察の人間ではないというところが根本的な矛盾回避につながっていることもあるのだろう。
ただし、この作品で一つだけ物理学者らしからぬ発言「女性は~」
これは科学的でないとは思いませんか?湯川先生。
聖女の救済聖女の救済
(2008/10/23)
東野 圭吾

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blogramの法則性がわからない

blogramをやっているわけですが、今一つこの法則性がわかりません。

前に「重松清」のカテゴリで1位になったと書いたと思いますが、いつのまにか「重松清」のカテゴリーから外されてしまいました。
そして有川浩で上位に入っています。
まあ有川浩は結構書いたので、わかります。
が、川上未映子はなぜ???3冊しか紹介していないのに????
数で言うと重松清はもちろん、道尾秀介とか石田衣良のほうが圧倒的に多いのに。

推理小説では結構1位になっていますね。
まあいろいろ読んだ成果といえるかもしれません。
しかし、私が1位というのはちゃんとしたミステリー好きの方からすると異論がありそうな気がしますが。

そういえば、なぜか「為末大」のカテゴリで1位。もはや何が何だか…
為末選手の書いた本でも読め、ということでしょうか?

まあどのジャンルだろうと1位というのはうれしいですね。
今後ともよろしくお願いします。
ついでに↓1票いれていただけるとありがたいです。
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すべての若き野郎ども 久保寺健彦

久保寺らしく、いわゆる不良を非常に生き生きと描いている。
が、その一方で、達夫にいまひとつ説得力がない。この違和感はどこから来るのだろう。
たぶん久保寺はいわゆる「育ちのいい人間」の描き方がいまひとつなのではないか。
最後までこの達夫が理解できなかったため、物語にはまりそこなった部分がある。
世の中そんなに甘くないとかそんなつまらない批判がしたいわけではない。単純に達夫の思考回路が医者になるような人間のそれとは思えなかった、というだけのことだ。
しかも成績がいいという設定らしいが、そこにも説得力がない。
まあそういう部分は気にしないで読める人には面白い作品だろう。
すべての若き野郎どもすべての若き野郎ども
(2008/09/25)
久保寺 健彦

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メガロマニア―あるいは「覆された宝石」への旅 恩田陸

タイトルを見ただけで借りたので、推理小説だと思っていたら、ただのエッセイだった。
いや、むしろかなりつまらないエッセイというか旅行記だった。
題材は南米の古代文明で、しかもいろいろと遺跡は登場するし、かなり興味のあるものなのに、このつまらなさはなんだろう?
最後のほうの小説もどきも完全に無駄だし。
現実はどんなに幻想的にしようとも現実でしかないという部分に私が恩田陸に期待したものとの齟齬ができてしまったのかもしれない。
メガロマニア―あるいは「覆された宝石」への旅メガロマニア―あるいは「覆された宝石」への旅
(2009/05)
恩田 陸

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骸の爪 道尾秀介

推理小説としては、それなりによくできているのかもしれない。
変な方向の可能性も示して読者を引っ掛けつつ、真相を明かす際に、きちんと現実的な処理をする。
だが、この作品には致命傷がある。
それはシリーズものであることを表紙に明示していないこと。
そして第一作の話を「十か月前の事件」や「福島の事件」としてしつこくしつこく入れる。
話の盛り上がるとことでいちいちこの記述を入れるものだから、トリックの見事さも、推理の構成のち密さも何もかもを吹き飛ばして不快感が残る。
そういう余計な部分がなければ楽しめたのにと思うと残念である。
骸の爪 (幻冬舎文庫)骸の爪 (幻冬舎文庫)
(2009/09)
道尾 秀介

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片耳うさぎ 大崎梢

わりと低年齢層向けの推理小説なのだが、大人が読んでも楽しめる。
というよりも、大崎梢は、大人向けの推理小説(配達赤ずきんのシリーズですね)ではぼろを出しすぎるのに、なぜか子どもむけではそういうドジを踏まない。最初からそういう制限を自分に課しているのだろうか?
主人公を子どもにすることでいろいろな行動や得られる情報を制限することができ、結果として、いい推理小説になっているように思う。と書いてからこれが「ねずみ石」の感想とほぼ同じであることに気付いた。
設定も似ているかな。ねずみ石よりも物騒でない分、高く評価できるといえるかもしれない。
片耳うさぎ (光文社文庫)片耳うさぎ (光文社文庫)
(2009/11/10)
大崎 梢

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流星の絆 東野圭吾

序盤は東野圭吾にしては久々にいい感じの作品かと思わせる感じだったのだが、最終的になんかなあという結論に落ち着いてしまった。
ドラマ化されたというが、まあテレビドラマ的にはいい展開かもしれない。
だが、終盤の展開はどうもらしくない、というか妙に中途半端で、ラストをやたら安っぽく感じさせてしまったように思う。(推理小説なので、展開を詳しく言えないところが困ったところだ)
誰も助けてくれないといういつもの主張で来るなら、最後も押し切ればよかったのに、変なところでひよらないでほしかったと思う。
だが、全体的にはそこそこまとめられていてそれほど悪い作品ではなかった。
推理小説で行くならこの手の視点で書いたほうが東野圭吾の主張に合致すると思うのだが、どうだろう?
流星の絆流星の絆
(2008/03/05)
東野 圭吾

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