とりあえず読んでみる
本の感想を思いつくままに書いています。読んだ順番ではありません。   あと非常に偏った趣味なのでその辺もご理解いただけると嬉しいです。    ※画像の大きさがおおざっぱなお勧め度です。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

星間商事株式会社社史編纂室 三浦しをん

すごく面白い、というわけではないのだが、妙に面白かった。やはり三浦しをんはこの路線のほうがいい。
脅迫状の謎とかはちょっと薄っぺらい感じで期待外れの人も多いと思うが、別に推理小説ではないんだし、普通のコメディとして楽しめばいい。
というよりも、勝手な妄想で男性を描くより、こういう腐女子だと割り切った作品のほうが好感が持てる。
まほろ駅前~のシリーズはあまりにも不自然すぎて読めたものではないが、この中に登場する幸代の作品としての小説はいかにも腐女子の作品という感じで自然に読める。
傑作とまでは言わないが、面白い本であるといえるだろう。
星間商事株式会社社史編纂室星間商事株式会社社史編纂室
(2009/07/11)
三浦 しをん

商品詳細を見る
スポンサーサイト

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

裁判員―もうひとつの評議 小杉健治

裁判員を題材にした推理小説といっていいのだろうか。
裁判員を題材にした小説で、珍しくまともな仕上がりになっている。きちんと裁判員制度の問題点を指摘しているし、それなりに調べた形跡がうかがえる。
だが、自信を持って断言できるのは、おそらくこれは裁判官もしくは検察官の監修を受けていない。あるいは形だけみせた程度の監修しか受けていない。
なぜならきちんと調べてはいるものの、裁判を外側からなぞった人間の描き方でしかないからだ。
この裁判には不自然な点がいくつかある。ここに気づくかどうかで評価は変わってくるだろう。
だが、私程度の人間が気づいたわけだから、もしかしたら筆者は無理を承知でこういう描き方をしたのかもしれない。そう考えられる理由として、題材の問題があげられる。
裁判員を主人公にして、事件の真相に迫ろうとすれば、裁判官や検察官、弁護士が知りえなかった事実を裁判員が知らなければならない。
だが、それは現在の裁判員制度では通常はありえないことなのだ。裁判員の裁判は、公判前整理手続に付されている。すなわち、裁判官、検察官、弁護士は裁判員が知らない情報をいろいろと持っていて、その中から選んだものを裁判員に提示しているに過ぎない。だが、それでは裁判員は何も疑問に思うことができず、新しい発見をすることなどできない。
つまり裁判員を活躍させるためには、裁判が欠陥品でなければならず、そのためにはむちゃくちゃな部分を多く含んだものとして描かざるを得ないのである。
したがってこの本は裁判員を題材にすることの限界も示した小説といえるかもしれない。
だからこそ、この本は2つの意味で評価できるが、これは現実の裁判とはかけ離れているということも指摘しておかなければならない。
裁判員―もうひとつの評議裁判員―もうひとつの評議
(2010/04)
小杉 健治

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

ラットレース 方波見大志

削除ボーイズ0326の良さを消したらこんな感じになるのかというのが最初の感想。
期待外れとしかいいようがない。
推理小説の出来そこないにしか思えなかった。
登場人物の描き方のひどさも目に付いた。個性的な人間を描こうとして表面的な個性を追い求めた結果として薄っぺらい人間像が出来上がることがよくあるが、その典型的な例である。
前作のほうが普通の人間を描こうとしていた分、その人物の行動から内面を推測させることができていた部分があったのだが、それが無意識で行われたものであったことが本作で明らかになってしまった。
前作で見られた才能の片鱗が別の方向に行ってしまった感じがする。
推理小説を書きたかったのだろうか?それとも青春ものを書きたかったのだろうか?
結局無駄に殺人事件を絡めただけのくだらない話になったように思う。
まあまだ若い作家なので、今後修正してくれることを期待したい。
ラットレースラットレース
(2007/10)
方波見 大志

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

特別料理 スタンリイ エリン

米澤穂信の「儚い羊たちの祝宴」で、「アミルスタン羊」という食材が登場する。
それが登場する作品として、スタンリイ・エリンの「特別料理」があげられていたので、読んでみることに。
しかし、「特別料理」自体が短い作品で、別にメスのほうがおいしいとか、唇の部分が一番うまいとかそういう設定はまったく登場しなかった。
この辺は米澤穂信の創作なのかもしれないと勝手に決めて、あとはこの本を単純に楽しめるかどうかと思って読んでいたのだが、もとが英文のせいか、くどい。
どうも英文学はくどい表現に凝りすぎである。ここまで読みにくい短編集は日本の作家にはない(まあ翻訳というハンデがないからであるが)。
推理小説は、読むときに伏線を読み落とさないようにしようと思って読むので、こういう無駄に凝った表現をされると疲れる。しかもその凝った表現が別に面白さにつながっていないし、後半のほうに収録されていた話は、話自体が面白くなかった。
いや後半どころか、面白いと言えるのは最初の2つだけで、あとのは表現に凝っただけにしか思えず、ミステリーとしての娯楽性には欠けているように感じた。
ミステリー好きには絶賛されているらしいスタンリイ・エリンであるが、どうやら私はたいしてミステリーが好きではないらしい。
それほど長い本ではないのだが、途中から読むのが苦痛になるぐらい長く感じた。

ところで、結局アミルスタン羊の元ネタは解決しなかったな。
こういう食材の話なら漢書とかにもあったはず。探してみるか。
特別料理 (異色作家短篇集)特別料理 (異色作家短篇集)
(2006/07)
スタンリイ エリン

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

オープン・セサミ 久保寺健彦

おそらく新しい一歩をテーマにした短編集なのだろう。
読みやすいし、そこそこ面白いのだが、どうも「それだけ」になってしまった印象。
もちろん、それでも十分だと思うが、前作がよかったので、期待していただけに、少しだけがっかりしてしまった。
平均的な作品のレベルは前作より上がっていると思うが、個性の強さが失われているように思う。
すごく嫌な言い方だが、この程度なら久保寺でなくとも描けるのではないかと思った。
もちろん、この読みやすさは十分に評価に値するし、変なおしつけもなく、損した気分になるようなことはない。
だが、もう少しパンチがほしかったと思ってしまうのは欲張りすぎだろうか。
オープン・セサミオープン・セサミ
(2010/04)
久保寺 健彦

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

英雄の書 宮部みゆき

私は推理小説家としての宮部みゆきを非常に高く評価している。彼女の推理小説は、読みやすいし、無理な驚きを狙わないために破綻していなくていい。
だが、残念ながらファンタジーにおいてはあまり相性が良くない。
「ドリームバスター」しかり「ICO」しかり…
ファンタジーは現実を描く必要が、それほどはない。その結果、現実をベースにしてうまく話を展開させる宮部作品においてはその強みを生かせないことになる。
超能力までなら「クロスファイア」や「蒲生邸事件」のような名作を描けるのだが、ファンタジーになった瞬間にここまで魅力が薄れてしまう作家も少ない。
前置きが長くなってしまったが、本作はファンタジーであるがゆえに、名作とはとても言えない作品に仕上がってしまった作品といえる。
本にとりつかれるとかいうと、本の世界に迷い込む「はてしない物語」とかそういうのを思い出すが、宮部みゆきは根がリアリストなのか、世界設定にぶっ飛んだところがない。言いかえれば、ファンタジーなのに、手堅くまとめすぎて、ファンタジーにする意味がわからないとか、はっきりいって退屈な世界になってしまう。
兄が起こした事件の動機を小学生の妹が推理するという普通の推理小説にして別の作品を書いてくれたほうがよかったなあと思った。

英雄の書 上英雄の書 上
(2009/02/14)
宮部 みゆき

商品詳細を見る
英雄の書 下英雄の書 下
(2009/02/14)
宮部 みゆき

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

るり姉 椰月美智子

るり姉というのは、最初の話の語り手からすると母の妹すなわち叔母に当たる存在。
そのるり姉を周りの人の視点から描く。
「るり姉」は変な人で、それがとても魅力的に描かれている。
彼女の良さは変なところではなく、その前向きさにあるのだということを勘違いしてしまうと、この本の魅力は半減するだろう。何しろこの本、題材もそれほど特別なものでもないし、話の展開もほぼ完璧に読める。だからこそそれを欠点だと捉えた瞬間にこの本は相当つまらない本になってしまうだろう。
まあどう読もうと自由だし、それでもいいなら、私がとやかく言うことでもないが。
ただこれは素直に読んだほうが楽しめる作品ではないかと思う。

るり姉るり姉
(2009/04)
椰月 美智子

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

くまちゃん 角田光代

これは評価が割れる本だろうなあと読みながら思った。
失恋の話ばかりを集めた短編集で、ふった人間が、次の話でふられるという構成になっている。
まあ最後のほうは多少違うが。
この構成の仕方が評価が割れる要因になるとふんだ一つ目の理由。
要するにうまくいっているように見えても最後にはふられると想像がついてしまい、展開が読めることを嫌う人からすれば非難の対象になる。
推理小説でさえ展開が読めるものが許されているのに、こういう時に非難するのはアンフェアだとも思うが、たぶん展開が読めること自体が問題なのではなくて、展開が読めるものとしての面白さをこの本が備えていないということになるのかもしれない。
ただ私は、これだけ失恋にスポットをあてまくっていろいろと展開させたのはなかなか面白いと思うし、先が読めてもそれはそれでありだと思った。
むしろ私が気になったのは、妙な普遍化である。
最後のほうで恋愛観の普遍化に走っているように読めるのである。
これは反発をうけるのもやむをえまい。
恋愛観は個人で突っ走るからいいのである。
有川浩が恋愛小説で人気を得ているのは恋愛観を普遍化しないからだ。個人の好みにとどめていれば共感できるものが、普遍化されると反発を招く、そういう例になってしまった部分があるのが残念だ。
だが、終盤はともかく、それ以外の話はそこそこ面白い短編集として読めるので、そこまで批判すべき本でもない。
くまちゃんくまちゃん
(2009/03)
角田 光代

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

四十九日のレシピ 伊吹有喜

いい本だと思う。
頭のいい作家とはこういう作品が書ける作家なのではないかとふと思った。
言葉の選び方、常識を踏まえたうえでの非常識さの描き方、考え方を物語に織り込むその自然さ、この前読んだ某作家の本とは大違いだ。
偉そうにいろいろ引用して知識をひけらかしたがるが、その実、何も中身がない人間は多い。そういう人間からすればこの前紹介した某作家の本は高く評価されるのかもしれない。
だが、そんな薄っぺらい作品に何の価値がある?
この作品は、難しい話はしない。だが、とても大切なこと、そしてよく考えなければならないことをじっくりと考えさせてくれる本である。
言葉の選び方も易しい言葉を選び、だからこそより深く考えさせられる。
いい生き方とは何だろう?そんな普遍的な答えのない問いに対し、この本はある一例を提示する。
しかし、その生き方を「いい」とするかどうかの判断をするのはあくまで読み手である。
この本は、答えを強要はしない。だが、ついつい考えさせられてしまう。
ゆっくりと心の深いところまで沁みてくるような本に久しぶりに出会った気がする。
四十九日のレシピ四十九日のレシピ
(2010/02/16)
伊吹有喜

商品詳細を見る

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 白石一文

妙な言い方になるが文句なしの駄作。
ここまでいいところがない作品も珍しい。たいてい、中身が薄っぺらい作品には読みやすいという長所があり、読みにくい作品には深いという長所があるからだ。
ところがこの作品は中身が薄っぺらいうえに、読みにくいというまさに両方の悪いとこどりを可能にしたある意味すごい作品である。
この作品を読み終えることができたのは、図書館の返却期限が迫っていたからと、比較的私に精神的な余裕があったからにほかならない。
逆にいえば、忙しい時期には絶対に読むべきでないし、買うべきではない。
主人公は週刊誌の編集者。だが、作者の主張が物語にとかしこめていないため、そこだけ浮いている。しかも話題を次から次へと転換させ、いろいろと引用はするものの、そこにはテレビタレントもびっくりの薄っぺらいコメントを付すだけの引用を全く生かせていない状況。
そして相も変わらず、男は女より優れているのだという主張をし、そのためにかなり無理のある屁理屈を並べたてる。自分に都合の悪い男はすべて「女性的」で切り捨てる。あげくに「女は仕事をしてもいいが、家事育児をおろそかにしてはならない」というメッセージだけはきっちり作品に織り込んでくる。この部分は彼の中に染みついているのかもしれない。白石一文の作品で、「男は女より優れている」「女は家事育児を優先すべき」というメッセージが含まれていない作品を私は知らない。
また、この作品は社会構造を批判するようでいて、完全に自分のひがみと混同されている。
メジャーリーガーの高収入を非難し、社会が悪いというなら、なぜメジャーリーガーを批判していいことになるのだ?
その構造を作り上げている元凶、、もっと言ってしまえば、メジャーリーガーより実質的な富を得ている権力者になぜ向かない?それができていない以上、こんな主張は、ただの野球選手への僻みでしかない。
この手の何か履き違えた主張をいろいろな話題について繰り返すので、付き合うのにかなり根気が必要である。
たとえるなら、別におごってくれるわけでもないのに上司に居酒屋に付き合わされているときのような、金を払っているのに、愚痴を聞かされるというむしろこっちにサービスの対価をよこせと言いたくなる状況である。
すなわちこの本は、金を払って不快な気分になり、時間を無駄にすることができるという、まあはっきり言って全くいいところのない本である。
ここまでひどい本だと批判をするのに後ろめたさがなくていい。
この本は講談社の「書き下ろし100冊」の1冊だそうだ。ということは講談社には白石一文よりまともな作家が99人しかいなかったということなのだろう。それが残念だ。
この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 上 (100周年書き下ろし)この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 上 (100周年書き下ろし)
(2009/01/27)
白石 一文

商品詳細を見る

この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 下 (100周年書き下ろし)この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 下 (100周年書き下ろし)
(2009/01/27)
白石 一文

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

毒殺魔の教室 塔山郁

いろいろな登場人物のある特定の人物に対する語りで構成される小説は、芥川龍之介の「藪の中」が元祖だと思うが、芥川があまりにも完成度の高い作品を発表してしまったために、後の時代の作家たちはこの手法を使った瞬間にかなり高い確率で駄作になるというリスクを背負わされているように感じる。
この手法をとった作品の数少ない成功例としては、有吉佐和子の「悪女について」があるが、これは極めて例外的で、近年では貫井徳郎の「愚行録」や松井今朝子の「吉原手引草」がこの手法を用い、見事に撃沈している。
まあ松井今朝子は「悪女について」のパクリでしかないようなこの「吉原手引草」で直木賞を取ったのだから、駄作という認識を持っていない人も多いかもしれないが。
話はそれてしまったが、その高いリスクをとって描いた推理小説であるのが、本作品である。
若干恩田陸の「ユージニア」に似ているという風に読めるが、むしろ事件のまとめ方はユージニアよりこちらのほうがうまいのではないだろうか。
動機も含めてこの手の作品としては珍しくきちんと構成された推理小説である。
ただし、完璧を求めすぎたきらいはあるかもしれない。
新人の作品とは思えないほど完成度は高い。理論に破綻はないし、登場人物の描き分け、事件後の経過など非常に説得力がある。
だが、その一方で、あまりにも計算しつくされていて、衝撃性に欠けるともいえる。そこそこ面白いのだが、小学生による殺人というショッキングな題材の割に、まったく驚きがない。
その結果、推理小説としての完成度の高さでは、その辺の人気作家に全く引けを取らないものであるにもかかわらず、物足りなさが残ってしまった。
おそらく完成度としては同時期に書かれた湊かなえの「告白」よりも上だろう。だが、「告白」はその問題点を補ってなお人を引き付けるだけの衝撃性があったが、この作品には問題点が少ない分、魅力も少ないように思えた。
なかなかこのバランスが難しいのだなあと感じる。
ただ推理小説にありがちな欠点をここまで減らしたことは並の作家にできることではない。
今後に期待させる作品であることは間違いないだろう。
毒殺魔の教室 (上) (宝島社文庫 C と 1-1)毒殺魔の教室 (上) (宝島社文庫 C と 1-1)
(2010/04/06)
塔山 郁

商品詳細を見る
毒殺魔の教室 (下) (宝島社文庫 C と 1-2)毒殺魔の教室 (下) (宝島社文庫 C と 1-2)
(2010/04/06)
塔山 郁

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら 岩崎夏海

話題になっていたので読んでみた、というときどきやる例のパターンですね。
結論から先に言ってしまうと、私はこの本における「顧客」に当たらないので、この本を批評する資格を持ち合わせていない、ということになるでしょう。

ドラッカーの『マネジメント』をベースにして、いろいろと話を展開させる本作品において最初に顧客が誰かという問いを作中でも立てていますが、この本自体、「顧客」を、小説をあまり読まない人、もしくは経営に少しくらい興味はあるがドラッカーの本自体はハードルが高くて読んでいなかった人という風に定義づけているように感じます。
タイトルが「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」ということで、最初から一般の小説ではないことを前面に押し出していますし、表紙もライトノベルっぽい感じになっています。
つまり、普段からライトノベルを好んで読む人が、ライトノベルとしてこの作品の出来不出来を批評することはできると思いますが、ライトノベルの経験値が絶対的に足りない私にはまったく評価のしようがないのです。
小説としてはいろいろと問題点がある、と言ってしまえばそれまでです。しかし、その批評に何の意味があるでしょう。
最初からライトノベルであることを前面に押し出している本に対して、「こんなものはライトノベルだ」などというのはダウンタウンに対して「こんなやつらはお笑い芸人だ」などというくらいバカげた批評でしょう。

この本はよく「マネジメント」された本です。
したがって何度も書いているように顧客でない私には批評のしようがないのです。
あえていうなら、そういう戦略的な本であるということになるでしょうか。
批評のしようがない以上、画像サイズは普通。
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだらもし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
(2009/12/04)
岩崎 夏海

商品詳細を見る

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

造花の蜜 連城三紀彦

長々とページを使って書かれた推理小説。
事件自体は非常にち密に構成してあり、いろいろと伏線を仕掛け、あの手この手で読者を引っ掛けようとする。
そういう意味で手の込んだ推理小説ということはできる。
だが、面白いかというと話は別。
一つ目の事件がある程度解決したところに二つ目の事件を起こす、そしてそれが終了したところで終わるわけだが、真相が明かされたようで、結局肝心な部分が解明されない。
だったらそこを謎にするなといいたい。
そこには触れてはいけませんよ、とするのなら徹底的にそれが気にならないように工夫してくれればいいものをそれを謎として提示しておいて、そこは明かさないまま終わるというのは推理小説としては反則技のように思える。
もしかして作者も考えてないんじゃないのか?とか言いたくなるほど、後味が悪い。
たしかにノックスの十戒とかには引っかからないのかもしれないが、それでいいのか?
これでは結局長々とめんどくさい事件を描写しただけで終わることになる。
それでいいという人にはいいのかもしれないが、推理小説には一応の解決を求める人間としてはこういう本は支持できない。
造花の蜜造花の蜜
(2008/11)
連城 三紀彦

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

床屋さんへちょっと 山本幸久

ある家族の話を時間をランダムに並べて描かれた物語というのが一番近い説明でしょうか。
ところどころで床屋が出てきて、それが伏線としてうまく生かされています。
そういえば「床屋」って差別用語らしいなと思い出して、自分が相当有川浩に毒されているなと思いましたね。
床屋が差別用語だなんて図書館危機(図書館戦争シリーズの3冊目)を読むまで知らなかったので。


話が思いっきりそれてしまいましたが、全体としてはよくある家族小説で、これといって衝撃もありませんが、安心して読める作品でもあります。
また、設定としては不幸な要素もありますが、それを過去のものとし、全体としては幸せに向かう感じでまとめてあるので、好感が持てます。
普通の小説が読みたいときにいい本ではないでしょうか。
床屋さんへちょっと床屋さんへちょっと
(2009/08/26)
山本 幸久

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

夜のだれかの玩具箱 あさのあつこ

朝のこどもの玩具箱」で反省したので、期待値を少し下げていたら、結局その程度の本だった。
対象年齢をある程度定めたほうがいい作品が書ける作家なのかもしれない。
推理小説もどきとかホラー小説もどきとかはっきりいって「~もどき」の作品群。あさのあつこのよさがまったく出ていない気がする。
読者に何かを訴えようとするあさのあつこ独特の気迫のようなものがこのシリーズからは全く感じられない。
ただ文字の羅列であり、読者が見えていなくて迷走しているようにすら感じる。
こういう作品を書くくらいなら長編が1つ書けたのではないだろうかという気がして、妙に腹が立ってくる。
あさのあつこ完全制覇を目指すとかそういうただ作品を楽しむのとは別の目的がなければ読むに値しない本だろう。
夜のだれかの玩具箱夜のだれかの玩具箱
(2009/12/09)
あさの あつこ

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

食堂かたつむり 小川糸

思っていたほどひどい作品ではなかった。
あらすじの紹介からしてつまらないオーラを出しまくりだったので、どれだけひどい本なのかと思って試しに読んでみたら、むしろ予定調和的な感じに安心した。
この程度ならまあ許せる。
読みやすいし、大して深刻な作りにもなっていないし、感動の押し売りもしない。
こちらの予想を大きく裏切るようなことは何も起きず、予想されうる結末に至る。
これを是とするか否かの差だろう。
感動押し売り小説が好きな人には確実に物足りないだろう。
推理小説や冒険小説が好きな人にもこの予想通りの結末は物足りないだろう。
娯楽としての小説が好きな人にも少々微妙な作品だろう。
では、この作品の良さはどこにあるかというと、おそらくは意外と人間は生きていけるものだという部分を描いたところだと思う。
どんな偉そうな御託を並べようと、人間は何かを犠牲にして生きている。
それを気にし出したらきりがない。
そしてそれに気づいたからと言って食べるのをやめるわけにもいかないのだ。
この倫子の気力がなくなって料理をしなくなっても何かを食べてとりあえず生きているという姿勢。
これこそが、人間というもののしぶとさを表しているように思う。

これが深刻に食べることとは何かを追求した作品だったら、私はもっと厳しく切り捨てたと思う。
逆に全体が薄っぺらい作品であったからこそ、人間のしぶとさがかえって見事に表れているように感じた。
食堂かたつむり (ポプラ文庫)食堂かたつむり (ポプラ文庫)
(2010/01/05)
小川糸

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

最新記事

月別アーカイブ

カテゴリ

フリーエリア

blogramはじめました

blogram投票ボタン

検索フォーム

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。