とりあえず読んでみる
本の感想を思いつくままに書いています。読んだ順番ではありません。   あと非常に偏った趣味なのでその辺もご理解いただけると嬉しいです。    ※画像の大きさがおおざっぱなお勧め度です。

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儚い羊たちの祝宴 米澤穂信

米澤穂信にしては少し期待外れの推理小説。
短編集だし、まあそこそこ楽しめる人もいると思うが、私にはちょっと合わなかった。
こういう気持ち悪い推理小説とか、叙述トリックのオンパレード的なものは道尾秀介に任せておけばいいのにとか、ものすごく失礼なことを考えてしまった。
動機が弱いってのは多くの推理小説に共通することだから、まあ突っ込むべきではないとしても、全体的に話に説得力がない気がする。
狂気で片づけてしまえばそれまでの話を延々と続けているように感じられたのが、最大の欠点かもしれない
アマゾンの売り文句は「ラスト一行の衝撃」だそうだが…
ラスト一行の衝撃?
あまり衝撃も受けなかったというか肩すかし?
とにかく推理小説としてもホラー小説としても私が米澤穂信に期待したものとは大いにかけ離れていたということだろう。
儚い羊たちの祝宴儚い羊たちの祝宴
(2008/11)
米澤 穂信

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キケン 有川浩

文章が有川浩で、イラストが徒花スクモという「図書館戦争」のコンビの作品。
章の初めに漫画が入っている。また表紙も漫画仕立てで、おそらく文学賞系には一切ノミネートされないだろう。
文章としてはエンターテインメント性を追求している、いわゆる有川浩お得意のパターンで、読みやすく、スピード感があって面白い。
物語は、主人公が大学時代に入っていたとんでもない部活、通称「機研」を舞台に、まあ通常ありえないようなそれでいて妙に説得力のある学生時代を展開させる。
フィクションなんだからこんなことあるわけがない。だが、このレベルには到底及ばなくても「キケン」に当たるような思い出を誰もが持っているのではないだろうか。
有川浩はあとがきで、男子は誰でも「キケン」をもっている、というような話を書いている。だとすると私の場合、大学時代ではなくてむしろ高校時代かもしれないと思った。
図書館戦争は男女の恋愛話で仕上げてあったが、こっちは恋愛を排したエンターテインメント。有川浩にしては珍しいパターンといえる。(まあ大神の恋愛の話があったが)


本編とは関係ないが、最後の黒板のシーンで矢沢あいの「天使なんかじゃない」のラストシーンを思い出してしまったのは私だけではないだろう。しかし、高校生ならいざ知らず、いい年した大人がああいうこと書くかなあ?と最後に疑問は残ったが。
キケンキケン
(2010/01/21)
有川 浩

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夫婦一年生 朝倉かすみ

一言でまとめてしまうと新婚の話。
朝倉かすみは、一般化できないものを無理やり一般化するせいで嫌になることが多いのだが、この作品は夫婦の中の話にとどめたおかげでむちゃな一般化を避けている。
それがうまくいった例だと言えるだろう。夫婦のどうということのない一日を描き、ちょっとした幸せを感じさせる比較的好感のもてる作品に仕上がっている。
何よりかわいらしい挿絵がいい。各章ごとに描かれている四コマ漫画のような挿絵のおかげでこの作品の評価はかなり高くなった。
イラストレーターの力を評価する意味も含めて文庫版でなく、こちらをお勧めしたい。
夫婦一年生 (shogakukan paperbacks)夫婦一年生 (shogakukan paperbacks)
(2008/07/31)
朝倉 かすみ

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ガールズ・ストーリー あさのあつこ

タイトルは一見現代ものっぽい…が舞台は江戸時代。
要するに時代小説なわけですね。
ある種超能力的なものをそなえた少女が主人公で、それをもとに事件のとっかかりをつかみ、推理小説的な解決に至ると。
まあ時代小説なんてわりと推理小説の江戸時代版になっているものが多いので、そういうものの延長で考えればそれほど特殊な物語ではありません。
それなりに構成してあるので、そこそこ楽しめます。
最後のメッセージが若干ウザいですが。
ガールズ・ストーリーガールズ・ストーリー
(2009/12/03)
あさの あつこ

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桐島、部活やめるってよ 朝井リョウ

こういうのってたぶん大人には描けない世界だろうなあ…
若い作家がもてはやされるのは、話題性だけでなく、こういう若者の視点の圧倒的なリアルさが、ある程度年齢を経た作家には描くことが困難なものだからではないだろうか。
もちろん年齢を重ねてもなお鮮やかに若者を描ける作家もいる。しかしそれは多くの場合、あくまで抽出された、いわば普遍的な若者像であって、今、「この瞬間の若者」ではない。
この作品のすごさはここにある。
今の若者がどんな音楽を聴いて、何を食って、どんな話をしているかなんて、自分たちの時と本質は変わらないだろう。だが、それを具体化したとき、どうしても今の若者と自分たちが違うことを感じる。これはどの世代についても言えることだろう。本質的には同じ、しかし表面的な部分は結構違う。そしてその「表面的な部分」こそがその時代を表しているのではないかと思う。
この作品は、桐島という人物の周りの人々を描いた作品で、桐島本人は登場しない。登場人物同士の会話の中に登場するのみである。この描き方もいい。この登場人物と桐島との距離感によっていろいろとタイプの違った人々の高校生活が見えてくる。
自分たちと同じだなと思う部分もあり、それでいて自分と今の高校生の違う部分とはこういうところなのだなと感じさせてくれる部分もある。言いかえるなら、私が見ている今の高校生像というものと、ここに描かれている高校生はほとんど完璧に一致する。
表現が未熟な部分はあるかもしれない。しかし、ここまで鮮やかにリアルな高校生を描き出した作品はそうそうお目にかかれるものではない。それだけでもこの作品は高く評価されてしかるべきだ。
桐島、部活やめるってよ桐島、部活やめるってよ
(2010/02/05)
朝井 リョウ

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コロヨシ!! 三崎亜記

なんで普通に高校スポーツの話にしなかったかなあ…
設定として「掃除」というのをスポーツに見立てて、特殊な技が飛び交うあたりは三崎亜記らしくてとてもいいと思うし、むしろそれだけでよかった。
三崎亜記は何か勘違いしてしまったのだろうか?それともよほど自分が作り出した世界に未練があったのか…よくわからない。
「刻まれない明日」まではいい。しかしこの作品まで、「失われた町」の設定を持ち込む必要があっただろうか?
特殊なスポーツを考え、それがメインの話として十分に楽しめるのだから、それ以外の部分は余計な設定を組まないほうがよかったのではないだろうか。
あの世界の話でなくとも十分に成立する設定なのだから、何もわざわざ読者の幅を狭めるようなまねをしなくてもいいと思うのだが。
このまま同人作家にでもなり下がるつもりなのか?
さらに廃墟建築士のネタまで引っ張り出してきて、何か自分で自分の作品を破壊しているようにしか思えなかった。
万城目学の「鴨川ホルモー」と同じようにスポーツだけを特殊にするわけにはいかなかったのだろうか?
余計な設定の中に押し込めなければもっと面白かったのにと思うと残念である。
コロヨシ!!コロヨシ!!
(2010/02/27)
三崎 亜記

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エデン 近藤史恵

まともな推理小説が読みたくなったので…というのはうそで、前々から図書館に予約を入れていたエデンがようやく読めたというだけのこと。
サクリファイス」がとてもよかったので、続編でもそれなりの水準が期待できると思ったのだが…
うーん、推理小説というより、完全にスポーツ小説になっていた気がする。
そこで問題なのは、前作のサクリファイスの欠点として私は「自転車レースの興奮がいま一つ伝わってこない」と書いたのだが、本作は何かの事件というよりも自転車競技を中心にしているため、退屈な部分が少しでてしまったことだ。
近藤史恵の作品を読むのは久々だったのでいろいろと期待していたのだが、これは正直、期待したほどではなかった。
近藤史恵のミステリーはわりと好きなのだが、今回はミステリーというにはちょっと展開が読めすぎたし、たぶん作者もそういう推理小説としては書いていないだろうし、結果として私が求めたものと食い違ってしまったために、あまり高い評価の出せない作品となった。
あとドーピング関連ですが、日本人のアスリートはドーピングを悪とする意識が強いので、この白石君のせりふはあまり説得力がないんだな。
為末選手や室伏選手のインタビューとか読んでいて感じたのは、彼らの意識はドーピングをするかしないか、なんてレベルじゃなくて、どうやっていいがかりをつけられないようにするか、ということにある。つまり、ドーピングをするなんて最初から頭になく、嵌められるのを防ぐという意識しかないのだ。
そういう選手の多い日本人に、ドーピングの誘惑への理解を求めるのは厳しい気がした。
まあとにかく、サクリファイスのような話は期待しないほうがいいということですね。
エデンエデン
(2010/03)
近藤 史恵

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スパイクを買いに はらだみずき

サッカーボーイズのシリーズの番外編です。
サッカーなんか特に興味もないくせになぜかこのシリーズだけは読んでしまう。
何だろうなあ、これは。
今回はおじさんの草サッカーの話なのだが、それでも面白い。

おそらくこのシリーズの魅力は、押しつけになっていないことではないかと思う。
人間は、好きなものを話すときは他人もそれが好きであることを前提に話しがちだ。
今年はワールドカップもあるから、余計にサッカーのおしつけ男が発生するだろう。
当然にそれを知っていること、それが好きであることを前提で話されると、正直、ついていけないことが多い。
そしてこっちはあまり面白がっていないのに、夢中で話し続け、最終的にはそのことに関心を持たない人を非難する。
そういう人が多いのではないだろうか?

「スラムダンク」が名作として多くの人の支持を得たのは、主人公が最初はバスケットを全く知らないからだ。むしろ嫌っていたところから始まるからこそ、多くの人を引き込めたのだと思う。
嫌いな人の視点から描けば、関心のない人にとってもわかりやすくなる、そこをうまく使っている。

そう考えると、この作品はサッカーが嫌いな人を不快にさせないように配慮しつつ、それでいて自身のサッカーへの思いをうまく描いた作品だと言えるだろう。
まあ無理に番外編にしなくてもよかったような気がしないでもないが。

スパイクを買いにスパイクを買いに
(2010/03/27)
はらだ みずき

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あすなろ三三七拍子 重松清

久々に重松清の作品を読みました。
重松清は応援団に何かあこがれでもあるのでしょうか?
やたら応援団を美化しているような気がするのですが。
この作品も、応援団存続のために、会社から無理やり入学させて応援団員を勧誘させるという話で、そのむちゃくちゃな設定であるにもかかわらず、その理不尽さよりも応援団の素晴らしさを主張する内容になっているような気がします。
もちろん話としては十分に面白いですし、応援団を美化しているとはいえ、決して押しつけがましい作品ではないので、楽しめるのですが、妙に引っ掛かりました。
もう一つ引っかかった点が、「オトナ論」。
大人としての言葉とか、大人だから~とか、正直、ここだけは若干気持ち悪さを感じました。
「オトナ」でくくることの乱暴さを重松清は十分に認識していると思っていただけに、この感覚への反発が私の中にはありましたね。
オトナってそんなに難しいものですか?
ここで私の友人の言葉を引用しておきましょう。
「小難しいオトナ論を振りかざす人間は、他人の人生を簡単に否定できる人間だから信用に値しない」
彼曰く、結局オトナ論というのは自分のなりたいものを言語化しただけにすぎないわけだから、それとは違う人生を歩んできた人を必然的に否定することになる。だからオトナ論の射程が狭い人はある価値観しか受け入れられないわけで、それに合致しない人を簡単に否定できる。そういう人間を信用できるわけがないということだそうです。

重松清は本来そういうくだらないオトナ論をかざす人間ではなかったと思うんですが…
この作品限定にしておいていただきたいですね。
いやもちろんこの作品においてオトナ論はメインテーマではないと思うので、そういう意味ではこの部分を無視して楽しむことはできます。
むしろ面白かったからこそ、気になったということで…
あすなろ三三七拍子あすなろ三三七拍子
(2010/03/13)
重松 清

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