とりあえず読んでみる
本の感想を思いつくままに書いています。読んだ順番ではありません。   あと非常に偏った趣味なのでその辺もご理解いただけると嬉しいです。    ※画像の大きさがおおざっぱなお勧め度です。

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恋文の技術 森見登美彦

主人公の守田一郎の手紙のみによって構成された小説。
相手からどんな手紙が来たのか正確にはわからないが、少しずつ中身がわかるところがいい。
しかも複数の相手への手紙を併せて読むことで、ちょっとずつ違った角度から実際に起きたことが見えてくる。

そういう意味では面白かったのだが…
これって「夜は短し歩けよ乙女」を読んでいないとわからない部分が結構あるのではないだろうか?
それだけでなく以前の森見作品をある程度読んでいないと楽しめないところがあるというのは、やはり作品の単体としては評価を下げざるを得ない。
まあ初めて京都以外の場所を舞台にしたというのは新境地(?)と言えるかもしれないからそこで評価が上がって結果的には相殺されるという感じだろうか。
恋文の技術恋文の技術
(2009/03/05)
森見 登美彦

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風の中のマリア 百田尚樹

オオスズメバチの働き蜂を主人公にした作品。
擬人化された虫たちのやりとりがなかなか面白い。
そして戦闘シーンの描き方がいい。
ただ獲物を捕らえるだけなのだが、その命がけの様子や自然界の非情さのようなものもきちんと出ていて、こういうものであってもドラマになりうるのだということを感じさせられた。
あえて人間ではなく、虫の日常のありふれた戦いに焦点を当てたその視点もいい。
突っ込みどころはいろいろとあるのだが、それでも虫を主人公にして、科学的な設定もおさえたうえできちんと擬人化したドラマに仕立て上げたのは見事だと思う。
百田尚樹の本を読んだのは初めてだったのだが、ほかの作品も読んでみたいと思わせる、力のある作品だった。
風の中のマリア風の中のマリア
(2009/03/04)
百田 尚樹

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被取締役新入社員 安藤祐介

そういや前に森山未来かなんかが主演でドラマをやっていたなあと思いだす。
実際はデブだったわけですね。
まあそれは話の筋とそんなに関係ない。

簡単に言うとダメ人間のシンデレラストーリーとでもいおうか。
主人公の人間像というのがなかなか面白かった。
そしてこの作品の最大の勝因となったのが「被取締役」という設定だろう。
描写が弱く、全体的に小説としては乱雑、まとめかたもご都合主義的、それでもこの奇抜な設定を最大限に生かしきったことで最後まで飽きさせずに読ませることができる。

文章としては荒いが、だからこそ主人公の語り口が生かされているようにも思える。
アイデアと描き方の勝利といえる作品だろう。
被取締役新入社員被取締役新入社員
(2008/03/11)
安藤 祐介

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訪問者 恩田陸

恩田陸の本としては普通の推理小説だった。
読む順番の問題もあるので、恩田陸がどういう風に書いていたのかはわからないのだが、どうも最近は推理小説というよりもちょっと別の方向に流れたミステリーが多かった気がするので、そういう意味では逆に新鮮だった。

まあ今回も変な謎のかけ方はしているのだが、それでも普通に探偵的な役割を配置し、事件が起き、真相をあかす、という展開の本を読んだのは久々だった。

訪問者訪問者
(2009/05/14)
恩田 陸

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いっぺんさん 朱川湊人

朱川湊人の短編集、としかいいようがない。
ホラーだったりファンタジーだったりととりあえず不思議な現象を扱っている、という朱川湊人作品のほとんどに共通するであろう共通項しかない短編集。
もちろんおもしろい作品もあったし、磯幽霊のその後の話などはよくできていて怖い話だと思った。
しかし、全体的なクオリティにはかなりばらつきがある。
「だから何?」
というような話もいくつかあったし、感動させたいんだか、怒らせたいんだか、怖がらせたいんだかよくわからない本である。
よくいえばいろいろな話が読める、悪く言えば統一感がない。
せめてもう少し高い水準で作品をそろえてくれていればもっと高い評価になったのではないかと思う。
いっぺんさん (ジョイ・ノベルス)いっぺんさん (ジョイ・ノベルス)
(2009/07/17)
朱川 湊人

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僕の明日を照らして 瀬尾まいこ

児童虐待の話だが、描き方がちょっと変わっている。
被害者であるはずの少年が加害者である義理の父親を引きとめようとする。
この精神構造と母親の間抜けなところが組み合わせとして妙にリアリティを生んでいる。
その結果、いろいろと考えさせられる作品になっていると思う。

虐待の問題というのは奥が深い。
もちろん、こんな甘いもんじゃないという人もいるだろう。
そしてたぶんそれでいいのだ。
瀬尾まいこが描きたかったのは、ある一つの答えではなくて、どう考えるか、そしてどうしたいかということなのではないかと思う。
そして本人がどう願おうと子どもに主導権は握らせてくれないという現実もさりげなく描いている。
そういう意味では甘いようで、それなりにシビアな話でもある。
僕の明日を照らして僕の明日を照らして
(2010/02/10)
瀬尾まいこ

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小太郎の左腕 和田竜

小太郎というすごい能力を持った左利きの少年とそれを利用する武将の話、といってしまうとあまり面白そうには聞こえないが、普通の時代小説とはちょっと違った感じではある。
しかし、「のぼうの城」とキャラクターの描き方があまり変わらないように思う。筆者の美学なのかもしれないが、違うタイプの人間を書いているはずなのに、何か同じように思えてしまう。
1作目は新鮮でいいという感想を持ったが、さすがに3作目だとちょっと気になる。
そういう意味では「のぼうの城」を超える作品にはなっていないのではないかと思う。
ただ、それをさしい引いても、時代小説が苦手な私がそれなりに楽しめたのだから、そこまで批判するほどのものでもないだろう。
小太郎の左腕小太郎の左腕
(2009/10/28)
和田 竜

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スノーフレーク 大崎梢

表紙の絵に少々ひいてしまったが、なかなか悪くない推理小説。
昔の事件と現在の事件とのリンクのさせ方がなかなかいい。
また高校卒業を控えた微妙な心の揺れが付け込む隙を与えたと考えれば、それなりに説得力のある話と言えないこともない。
一つだけ汚いなと思ったのは、主人公が隠しネタを持っていること。
それがあったら絶対にわかるじゃないかと。そして実際、種明かしの際に主人公がわかっていたというような発言をする。
しかし、推理小説として読むよりも思い出からの卒業としての物語と解釈すれば、そう悪い作品ではない。
変なところでいろいろと頼りになる友達がいる、そういう友達同士の描き方がすごくよかった。

関係ないが、花を使った推理小説でほぼ間違いなく花言葉が出てくるのはなぜだろう?
花言葉なんて国によって違いそうな気がするのだが。
スノーフレークスノーフレーク
(2009/02/27)
大崎 梢

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幕末明治百物語 一柳廣孝・近藤瑞木

百物語っていうから、もっと怖い話かと思ったんですが、意外と怖くなかったです。
なんというか人が死んで幽霊が出ました、ただそれだけみたいな感じで。
これだったら普通に推理小説とかにある殺人事件とかのほうがよっぽど怖く作ってあるような気がしないでもないです。
ホラー小説とかももっと怖いのが多いですよね。
逆にいえば、百物語というのはシチュエーションが怖いのかもしれません。
つまり、部屋を暗くして、ろうそくを消していくというその行為がポイントなのであって、話自体はそれほど怖くなくてもいいのかもしれませんね。
そしてこの百物語、あまり理不尽な感じになっていません。
時代背景のせいかもしれませんが、勧善懲悪的な思想が見られ、怖い話というよりはなんかめでたしめでたしと言ってしまえるような話も結構ありました。
文体は古文の授業でやるようなものをそのまま掲載しているので、中学生以下の人にはちょっと読みにくいかもしれません。
ただ、内容自体はそう難しくないので、読めないことはないでしょう。
幕末明治百物語幕末明治百物語
(2009/07/24)
一柳 廣孝近藤 瑞木

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北朝鮮を目指す東京都

いつもと違って本の感想とは違う話。
石原さんは自身が「太陽の季節」とかを書いていながら、こういう条例の出そうとするのだから自己矛盾もいいところだと思う。

こういう条例とは、今、巷で大きな話題となっている「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」の話。

"石原正日"と揶揄されるだけのことはあるなあ…
「自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの」ってだれが判断するのか。
決まっている。権力の側だろう。
つまりはこのマジックワードを使えば、なんでも規制対象にすることができるのだ。
だいたい「犯罪を誘発し」なんて一体何を根拠に?
今から10年ほど前に、「バトルロワイヤル」という小説が話題となった。
それに影響を受けて殺人を犯したといわれる子どもまで発生したが、ここで注意してほしいのは、今の10代の殺人者率(人口10万人当たりの殺人犯の発生率)は今の70代が10代だった時よりもはるかに低いのだ。

だとすれば、今の子供たちははっきりいって健全そのもの。
これ以上の規制はかえって自らの判断能力を奪うことにならないか?

「どうせわいせつなものだけだろう」と思っているあなた。
この条例の文言では、権力のわいせつだと言い張ればなんだってわいせつだって言えるのです。
だいたいわいせつってのは最終的には主観の問題に落ち着くわけだし。

どんな表現であれ、判断するのは自分自身。その権利を奪うのは健全な民主主義を阻害する。
そこまでして日本をカルト宗教国家に変えたいのか?

クジラの彼 有川浩

読む人によっては、「自衛隊礼賛小説」で切り捨てられそうですね。
表題作も含めて、全体的に有川浩の自衛隊好きな様子がうかがえます。
ところで気になったのが、恋人に仕事のことを教えない、というのはたいていの場合そうなのでは?
職場の恋愛ならともかく、わざわざ外部の彼女に機密を教えたりしますか?機密でなくとも、いちいちいうほどのものでもないと思うのですが。(これは話すのが普通なんですか?私は絶対に言わないんですが)
これを自衛隊限定ととらえるのは違和感がありました。
そして少し思想がふらつき気味です。
自衛隊は国家機関。そこをいいとするなら、その立ち位置で書かないと、深刻な物語になった瞬間にぶれます。
「図書館戦争」の成功は、あくまでも娯楽で描いたから。
ですから、今回の作品もラブコメである限りにおいては、楽しめる作品ですが、それ以上追及はできない作品になっています。
一応この表題作と、「有能な彼女」は「海の底」の番外編らしいのですが、「海の底」を読みたくさせるような話ではありませんでしたね。
さんざんけなしてしまいましたが、娯楽としては面白いですよ。
思想的に追及しなければいいんです。そしてそういう意味では有川浩はそこを踏み越えてはいません。
クジラの彼クジラの彼
(2007/02)
有川 浩

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フリーという生き方 岸川真

「半ズボン戦争」が面白かったので、ほかの本も読んでみたいと思ったいたら偶然にも目に入ったので読んでみた。
小説というわけではないのだが、フリーになりたいとは思っていない私としては普通にエッセイのような感じで楽しめた。
ところどころ名前が出てくる英語講師の「今井」というのは昔代ゼミにいた今井先生のことであろうか。推理小説的にいろいろと手掛かりを探してしまった。
※「先生」と敬称をつけてみたが、実は授業を受けたことはなく、高校生のころパンフレットで名前を見たことがあるだけである。

新書としての価値を求める人にはどうだろう。
一種の自伝的な話で、学問的価値は低いかもしれない。
だが、最近の新書の中には学問的価値も低ければ、面白くもない本もあるので、エッセイとして楽しめる分だけそういう本よりはいいのではないかと思う。

フリーという生き方 (岩波ジュニア新書)フリーという生き方 (岩波ジュニア新書)
(2007/06)
岸川 真

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ビッチマグネット 舞城王太郎

久々に舞城王太郎の本を読んでみました。
こういう女の子の狂気、みたいな本は角田光代とかのほうが好みだなあ。
舞城の作品が悪いとは言わないんだけど、どうも今回は相性が悪かった感じで、あまり楽しめなかった。
主人公が「阿修羅ガール」とあまり変わらないような気がしたし。
もちろんおもしろい部分もあった。
恋愛の解釈とか、正論とか、独特の語り口で描かれていて、さすがと思う部分もある。
あとはあの文体との波長の問題だろう。
いつもの舞城王太郎作品らしく、賛否両論ありそうな作品である。
ビッチマグネットビッチマグネット
(2009/11/27)
舞城王太郎

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SOSの猿 伊坂幸太郎

伊坂への期待値が下がっていたせいか、それなりに楽しめた。
推理小説でないものを書いたのがよかったのかもしれない。
エクソシストのとらえ方が比較的現実的なのはよかったし、合理的なようでいてまったく合理的でない五十嵐という人間の描き方も、あの設定ならそれなりの説得力を持たせられる。
そして何より、伊坂にありがちな自分でネタふって喜ぶという自慰行為を見せられなかったところがよかった。
したがって小さい画像にはしなかった。
だが、単純に面白いと言い切れるかといわれると結構疑問がある。読者を楽しませるものというよりも、作者が楽しんでいるだけのような気がして今一つ入り込めない部分もあった。

SOSの猿SOSの猿
(2009/11/26)
伊坂 幸太郎

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