とりあえず読んでみる
本の感想を思いつくままに書いています。読んだ順番ではありません。   あと非常に偏った趣味なのでその辺もご理解いただけると嬉しいです。    ※画像の大きさがおおざっぱなお勧め度です。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

犬はどこだ 米澤穂信

突っ込みどころはいろいろあるんだが、妙に面白いんだよなあ。
探偵ものはたいていは好きになれないのだが、この探偵は好きになれる。
なぜなら、偉そうじゃないからだ。
探偵をやりたかったわけではないし、とりあえず仕事をしなければいけなかったというその動機も素敵だが、彼は正義感に燃えてもいないし、正しい解決を求めない。そこがこの作品の最大の魅力だ。
だめな推理小説でよくあるのが、最後に余計な正義感をかざしたり、勧善懲悪に持ち込もうとしたりすること。
しかしこの作品はそうはしない。そのラストも見事だ。
と、これ以上書くと完全にネタばれになってしまうから書くわけにはいかないが、この終わり方がいいのだ。
推理小説である以上、ラストをばらすのは仁義に反するだろう?
犬はどこだ (創元推理文庫)犬はどこだ (創元推理文庫)
(2008/02)
米澤 穂信

商品詳細を見る
スポンサーサイト

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

モーニング 小路幸也

大学時代の仲間の葬式帰りに、一人が自殺すると言い出し、「自殺する」といった理由を探る話、と大まかにまとめてしまえばこんなところだろうか。
動機のみを謎の対象とした推理小説というのは、久々に読んだ。動機というのは多くの場合、推理の対象にはなるだろうが、それだけを対象とした作品はそれほど多くはないだろう。
オチにはいろいろと突っ込みどころはあるのだが、まあそれなりにまとめてあるといっていいだろう。
過去と現在との対比という描き方はありきたりなのだが、中年のおじさんが大学時代を振り返るという設定に対して、いかにもおじさんが過去を振り返っている、という感じの気持ちの入れ方が、非常に説得力があってよかった。
かといって私が自身の学生生活を振り返ってみて、この主人公のような学生生活を羨ましく思うかというと全く思わないというのが、この作品における残念な部分だろうか。
ここで主人公の学生時代を羨ましいと思えるほど読者を引き込む力が足りなかったことが惜しまれる。
モーニング Mourningモーニング Mourning
(2008/03/19)
小路 幸也

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

晩夏に捧ぐ 大崎梢

昔の殺人事件まで掘り起こしてくるこのシリーズとしては結構過激な話。
とはいえ、大崎梢が描くとそんなに悲惨な感じにはならない。
なんというか、良くも悪くも普通に娯楽として楽しめる推理小説になっている。
配達あかずきん」はあまり好きになれなかったが、この本では最後に久世番子の四コマが掲載されているので、ちょっとお得な本ということで、評価を少し上げておいた。
ただいわゆるミステリー好きがこのレベルで満足するかどうかは保証しない。
晩夏に捧ぐ (成風堂書店事件メモ(出張編)) (創元推理文庫)晩夏に捧ぐ (成風堂書店事件メモ(出張編)) (創元推理文庫)
(2009/11/10)
大崎 梢

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

10-ten- 堂場瞬一

大学ラグビーをテーマにしたスポーツ小説。
ラグビーをよく知らないので、わりと楽しめました。
変な言い方ですが、おそらくこの描き方だと、妙にドラマチックになっているので、ラグビーに詳しい方のほうがいろいろと気になってしまう点があるのではないかと思います。
初心者に興味を持たせるという点ではいいかもしれません。
というわけで、ラグビーにあまり関心のない人にお勧めです。
10-ten-10-ten-
(2009/12/12)
堂場 瞬一

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

三匹のおっさん 有川浩

「三匹のおっさん」が町内で起こる事件を解決するというある種の推理小説的な本といえるかもしれません。
大した事件でもないので、トリックとかに突っ込みを入れるほどでもなく、それなりに楽しめるようにはできているとは思います。
ただ60歳で高校生の孫がいるという設定に無理がありすぎて、どうも飲み込みにくい部分があり、「高校生の孫がいるような老人」として3人を描いているせいで、おそらく60歳善後の方が気を悪くするのではないかと思うような描き方になっています。有川浩自身はあとがきで老人への愛を強調してはいるのですが、それにしては老けた描き方になっているように思えました。
60歳が老人に思える年齢の読者にはいいのかもしれません。

三匹のおっさん三匹のおっさん
(2009/03/13)
有川 浩

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

終の住処 磯崎憲一郎

つまらなかった。
50代以上の人のための本という感じだろうか。リアルなようでいてまるで現実味のない作品。おとぎ話というのも変だが、ハッピーエンドの作品とは違う意味でのご都合主義を感じる。
芥川賞とはつまりこういう作品にも贈られる賞である、というか、むしろこれが芥川賞というのはなんとなく理解できる。自分勝手な妄想を肯定するために言葉を並べたものを「文学的」と評するならそれもいいだろう。
登場人物に名前をつけないで話を展開させたせいでかなり強引なところもあるのだが、それも「文学的」でごまかせばいい。改行を減らし読みにくい文章になっているが、それも「文学的」で押しきればいい。
だが、こんな中年サラリーマンの暇つぶし文学にお付き合いすることもなかろう。
推理小説やライトノベルのほうが読ませようとしている分だけまだ好感が持てる。
終の住処終の住処
(2009/07/24)
磯崎 憲一郎

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

東京バンドワゴン 小路幸也

昭和な感じの本。
ミステリーの要素あり、家族の要素あり、基本ハッピーエンドというまあ懐古思想大好き人にお勧めの本。
小さい画像にしてやろうかとも思ったが、若者批判がなかったので、そこだけは評価していい。
ただ一つ一つの話が短いせいか、大団円を急ぐ感じがしていろいろとおざなりになっているようにも思えた。
時代設定が今一つつかめなかったのだが、まさかあれが現代とは言うまいな?
少なくとも21世紀ではないことは明らかなように思えたが。
東京バンドワゴン (集英社文庫)東京バンドワゴン (集英社文庫)
(2008/04)
小路 幸也

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

40-翼ふたたび- 石田衣良

40歳というのは微妙な年齢だなと思う。
かつて柴門ふみの「Age,35」で「40ならあきらめもつく 35ってまだゼロからやり直せる年齢じゃない?」というセリフを言わせている。つまり、この時代の世間的なボーダーは35だったのだ。(もちろん柴門ふみ自身はあとがきで「何歳からでもやり直せると思っている」とかいてはいるが)
それから10年がたち、石田衣良は40歳から始める物語を出した。
これはおそらく40ならまだ行ける、という認識が広がりつつあるということなのだろう。
話としては若干ご都合主義が過ぎる部分もあるのだが、それなりに説得力のある話に仕上げてあり、そんな中でもいろいろな問題を織り込んでいる。
単純に娯楽としても楽しめるが、それだけではなくて何かを始めるのに遅すぎることはないというメッセージを感じる作品でもある。
40―翼ふたたび (講談社文庫)40―翼ふたたび (講談社文庫)
(2009/02)
石田 衣良

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

ファミリーポートレイト 桜庭一樹

今更?と言われそうだが、実はあとちょっとのところまで読んでいて、ようやくこの前読み終えた本。
前半と後半で大きく雰囲気が変わり、前半は割と勢いで読ませる感じだったのだが、後半はそうもいかず、本屋での立ち読みは、後半の途中で止まっていたのだった。
で、全体を通して改めて読んでみて、桜庭一樹の構成力のすごさに驚かされる。
どっちかというとありえない事件と起こして勢いで読ませる前半と多少のありえなさはあるものの、むしろ人間の内面的な部分に焦点を当てた後半の対比も見事だが、それを最後にまとめきったところもすごい。
ああいうラストを導いたところはさすが。
ところでこの作品は「このミステリーがすごい」の2009年のランキングに入っていたのだが、これは推理小説ではないだろう。
しかしそれでも投票したくなる気持ちはわかる。
それくらい存在感の強い作品だった。

ファミリーポートレイトファミリーポートレイト
(2008/11/21)
桜庭 一樹

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

シアター! 有川浩

有川浩らしいお話と申しましょうか。
貧乏劇団の主宰者の弟と一般的な社会人の兄という家族の話を書きつつ、石田衣良の「下北サンデーズ」のような劇団の話を展開させるわけですが、なかなか面白い話だと思いました。
登場人物にキャッチコピーをつけるのは出版社の趣味でしょうか?それとも有川浩の趣味なのでしょうか?
このキャッチコピーをつけることで登場人物の役割がある程度限定されてしまっているようにも見えます。
多くの人間を操るために行った処置とも考えられますね。

ところでこの作品で有川浩が一番主張したかったことはおそらく「大衆向けのものを馬鹿にするな」ということではないかと思いました。
物語の中盤にこのような記述があります。
「プロパーに評価される商品が悪いというわけではない。それは業界で確かに必要なものだろう。しかし、それとは別に新しい客を連れてくる商品を冷遇するような業界は、決して社会のメインストリームにはなれない。分かりやすいものを軽視する風潮には商業的に成立するために不可欠な一般客への侮蔑がある。」
これは有川浩自身の作品にも言えることかもしれません。
彼女の作品は読みやすいし、わかりやすい面白さがあります。
しかし、メジャーな文学賞とは無縁です。おそらくノミネートもないでしょう。
一般客への侮蔑はおそらく小説の業界にもあることなのではないかと思うことが時々あります。

直木賞は推理小説には不利だと言われます。
売れていても、です。
それはやはり「一般客への侮蔑」と言えますね。
もちろん推理小説は「このミステリーがすごい」など推理小説限定の賞があります。
しかし、有川浩はそういうものも狙えないでしょう。
そう考えるとやはり有川浩のような作家を評価する手段を持つべきだとは思いますけどね。


シアター! (メディアワークス文庫)シアター! (メディアワークス文庫)
(2009/12/16)
有川 浩

商品詳細を見る

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

みんなのなやみ 重松清

小説ではなくて重松清が5年ほど前にやっていた悩み相談をまとめたもの。
返答の仕方が非常に優しい。
悩み相談ってときどきお前何さまだよと言いたくなるものがあるが、重松清の場合は答え方も謙虚だし、相手が子どもでも全くバカにしていない。
その誠実な返答に好感が持てる。
みんなのなやみ (新潮文庫)みんなのなやみ (新潮文庫)
(2009/11/28)
重松 清

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

カイシャデイズ 山本幸久

ココスペースという会社の社員たちの一人一人を主人公とした連作短編集。
どうしようもない登場人物が妙に好感が持てる描き方になっていて読んでいて気分がいい。
平安寿子の「もっと、わたしを」のような感じではあるが、男性視点で描かれているので、平安寿子と比べてみるとおもしろい。
カイシャデイズカイシャデイズ
(2008/07)
山本 幸久

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

インシテミル 米澤穂信

米澤穂信にしてはかなりめちゃくちゃな推理小説。
設定も強引だし、突っ込みどころも多い。
が、そこを乗り切って読ませるだけの作品に仕上げたのはさすがと言おうか。
ミステリーの古典の知識がいろいろと出てくるので、そちらに関しては全くお手上げで、最初のほうは若干退屈に思えた。
しかし、それ以外のところは意外ときちんと詰めてあった。
殺人のトリックとか、そういう突っ込みどころにはきちんと主人公の結城が突っ込みを入れているし、須和名も最後にいろいろと問題点を指摘している。
だからこそ、自画自賛作品とは違って好感が持てる。

またまとめ方もうまい。
あれなら続編を出しても違和感がないし、逆に続編がなくても問題がない。
米澤穂信はどうするつもりだろう?それが気になる作品でもある。

インシテミルインシテミル
(2007/08)
米澤 穂信

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

チッチと子 石田衣良

おもしろかったんだが、期待したほどではなかった。
作家の生活をリアルに描いたとかなんとか評価されていたが、そういう本かなあ?
リアルなようでやはりどこか夢物語といういかにも石田衣良らしい作品だと思ったけど。
ハッピーエンドで仕上げてあるし、読みやすい文章であるし、普通に勧められる本だとは思う。
だが、せっかくこういう題材にしたのならもっと別の描き方があってもいいような気もした。
チッチと子チッチと子
(2009/10/23)
石田 衣良

商品詳細を見る

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

最新記事

月別アーカイブ

カテゴリ

フリーエリア

blogramはじめました

blogram投票ボタン

検索フォーム

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。