とりあえず読んでみる
本の感想を思いつくままに書いています。読んだ順番ではありません。   あと非常に偏った趣味なのでその辺もご理解いただけると嬉しいです。    ※画像の大きさがおおざっぱなお勧め度です。

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六月の夜と昼のあわいに 恩田陸

不思議な雰囲気の短編集でした。
途中に詩とか絵とかが挟まっていて、余計に妙な感じを演出していましたね。
話としてもそれなりによくできていると思います。
ただ、いま一つのめり込めない感じでしたね。
幻想的な感じで面白いといえば面白いのですが、すごく面白いというほどではないというレベルです。
六月の夜と昼のあわいに六月の夜と昼のあわいに
(2009/06/19)
恩田 陸杉本 秀太郎

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ステップファザー・ステップ 宮部みゆき

表紙が変わっていたので、再び読んでみた。
別に内容が変わっているわけではないのだが、印象は随分違った。
宮部みゆきが泥棒の立場から推理小説を書くと、若干主張がぶれる。
彼女の場合は東野圭吾とは逆に位置するのだろう。
まあ事件は比較的安全(?)なものだから東野ほどの醜態はさらしていないのだが。


推理小説というよりはむしろ家族のあり方について考えさせられる本かもしれないと、今だから思う。
携帯がなかった時代がちょっと懐かしい。
簡単に連絡がつかない両親というのが今だと想像しにくいだろう。


双子はむかつく(こういうことを書くから僕はひねくれ者なのだな)が、主人公の行動が結局どこかいい人でなんとなく温かい気分にさせてくれるいい作品だと思う。
ステップファザー・ステップ (講談社文庫)ステップファザー・ステップ (講談社文庫)
(1996/07)
宮部 みゆき

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大金星 水野敬也

これ、えらそうな作家が書いた本だったら間違いなく最低評価の本だろう。
だが、この本はそういう自分は偉いんだ系では書いていない。
モテない男の立場から描いているので、わりと好感が持てる作品に仕上がっている。
ただ、文章としては少々薄っぺらい印象がぬぐえない。普通の小説という形式は彼には合わないのかもしれない。
それとも大学時代に全く合コンに行かなかった僕としては、なぜそんなにもてたがるのかがいま一つ理解できなかったりするので、この本を正しく理解していないのかもしれない。
大金星大金星
(2008/12/09)
水野 敬也

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実験4号 伊坂幸太郎

実験的な作品という意味では評価すべきなのかもしれない。
だが、本としてはどうなんだろう。
これはSFになるのだろうか?少なくとも推理小説ではないだろう。伊坂の昔の作品を使いまわしているような気がするくらいにわかりすぎる展開、いつも通りの登場人物のキャラクター。
とりあえず使えるものを並べてみましたというような感じがしてお世辞にも面白いとは言えなかった。
まあ実験だからこんなものだろうといってしまっていいのだろうか?
これを楽しめるほど僕は伊坂が好きではないということなのだろう。
実験4号実験4号
(2008/04)
伊坂 幸太郎山下 敦弘

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かあちゃん 重松清

長編かと思いきや実質的には連作短編集という感じだった。

最初の話で引っ張られるとちょっといやだなと思っていたので、こういうものの方がよかった。

償うというのはどういうことかをテーマにしつつ、いろいろと人間の抱えている悩みみたいなものを描いている。まあ重松清らしく、結局みんなそれなりにいい人なので、もしかしたらこれを物足りないと思う人もいるかもしれない。

最後もうまいところで切ったなあと思った。
あれはどっちに展開させても妙なことになったので、あれで終わらせたのがベストだろう。そういうあたりの調節具合もさすが。
人によっては名作と言ってくれるだろう。
(僕は言わない。本としては好きだけど、最初の話の設定がどうも好きになれなかった)
かあちゃんかあちゃん
(2009/05/29)
重松 清

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一か月連続更新キャンペーンは本日で終了。
更新頻度とアクセス数にそれほど相関関係がないということがわかった。
まあ今まで通りに戻すだけですが。
というわけで(どういうわけだ?)広告でも貼ろう。





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ガーデン 近藤史恵

アマゾンに薦められた本。
しかし、近藤史恵の本の中で僕が読んだ中ではもっともつまらない本だった。
初期のころの作品だから仕方ないといえば仕方ないが、全体的に雑で、なんかごちゃごちゃやった感じしかしない。
洗練されてくると現在のようになるのだな、というのがわかるという点では読む価値があるかもしれないが、単体で面白いかというとかなり疑問。
ただもし近藤史恵の本をこれしか読んでいない人がいて、近藤史恵を悪く言うのは間違っていると言っておこう。
ガーデン (創元推理文庫)ガーデン (創元推理文庫)
(2002/12)
近藤 史恵

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Bランクの恋人 平安寿子

平安寿子らしい短編集。
ちょっと変わった恋愛をテーマにしたものなのですが、登場人物たちの容赦ないセリフが妙に快感です。
これってわりと一般にも言えるんじゃないかと応用する機会を探しているのですが、なかなか使えないのがちょっと残念ですが。
Bランクの恋人 (光文社文庫)Bランクの恋人 (光文社文庫)
(2009/06/11)
平 安寿子

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福袋 角田光代

短編集だが、人生を福袋にたとえて、しかもそれを肯定的にとらえるでもなく否定的にとらえるわけでもなく、そのまま引き受けるところがなんとも角田光代らしい。
本篇とは直接関係ないのだが、昔、母が犯罪者の親を追及するレポーターを見ながら言っていたセリフを思い出した。
「こういうのは親の責任じゃなくてもう運としかいいようがないのよね」


「福袋」で描かれているのはまさにそんな感じである。
そんなことまで責任を負えるかっ!!と思いつつもいろいろと引き受ける運命になってしまうのが世の中なのかもしれない。
まあだからって責任をなすりつけていいとは角田光代はいっていないし、僕もそう思うので、責任を関係ない人になすりつけるのはやめましょう(プライベートな話で締めくくってしまって申し訳ない)。
福袋福袋
(2008/02/15)
角田 光代

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さまよう刃 東野圭吾

東野圭吾および推理小説というものを軽蔑するきっかけとなった本。
読んだのは実は結構前なのだが、来月映画が公開されるということで再び話題になっている。
このブログの流れからしてこの手の本は非難されるだろうと予想していた方、あなたの読みは完璧です。


日本は「法治国家」だという話は矢口敦子の「あれから」のところで書いた。
矢口敦子は「それにもかかわらず、世間は勝手に関係ない人間を裁く」ということを問題として出した。これは指摘としては非常に意味がある。
だが、東野圭吾はこの作品でよりにもよって法治国家という観点を吹っ飛ばして「少年だけ甘いのはずるい」と書いたわけだ。
アホですか?この人
少年法を知らないことが明らかな主張。せめてもう少し中身を理解してから書いてほしかったが、そもそもこの手の思想に凝り固まった人は、たぶん少年法の理念と法治国家としての日本の制度とその趣旨との関係とかまったく理解する気もないのだろう。
しかも少年法以前の問題として、この作品には致命傷がある。それは東野圭吾は私刑肯定派だということである。(本作ではその主張を混ぜたがゆえに全体がふらついたわけだが)
私刑を肯定する人間が警察ものを書くとどうなるか…ネタばれになるからはっきりとは書かないが、もはや最後のほうは笑うしかない。
これで感動した人は、実在の事件被害者を頭に思い浮かべてしまったのだろう。
だが、それは東野圭吾の詐欺的な手法の成果であって、この本は理論的に突き詰めていくと明らかにおかしい。東野圭吾の立ち位置のいい加減さがよく表れた作品だろう。
本当の被害者の問題をそらすような最低のメッセージを込めた作品だと僕は評価する。
さまよう刃 (角川文庫)さまよう刃 (角川文庫)
(2008/05/24)
東野 圭吾

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吾郎とゴロー 川渕圭一

人物の描き方がひどい。
もっとキャラクターの作り方をどうにかしてほしい。全員が非常に薄っぺらい人物で、こんなある人物の一面だけを切り取ってその部分だけの人格にしたような人間がいるわけないだろうと思った。
そして何より僕の最も嫌いな「感動押し売り本」である。
でもAmazonみたらみんなが最高評価…
つまりこれを悪く言う僕はひねくれものである、ということか?
しかしだ、感動押し売りになっていない分だけセカチューのほうがまだましだったと思う。
これをどう解釈すればそんなに評価できる作品になるのだろう?
吾郎とゴロー吾郎とゴロー
(2006/06)
川渕 圭一

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悔しいから広告でも放り込んでおこう。




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宵山万華鏡 森見登美彦

宵山をテーマにした連作短編集で、「きつねのはなし」のような幻想的な話といかにも森見登美彦らしいばかばかしいことを大真面目に描いた話が混ざっている。
「宵山金魚」と「宵山劇場」がまさに森見登美彦の真骨頂とも言うべきばかばかしい話で、これがとてもいいできだった。
他の作品は幻想的でそこそこ面白いのだが、インパクトの面ではやはりこの2編に劣るだろう。
ところであの目次のイラストは某アニメ映画をパクったようなモチーフなのだが、関係があるのだろうか?
宵山万華鏡宵山万華鏡
(2009/07/03)
森見 登美彦

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いっちばん 畠中恵

だいたい次の本が出たころにちょうど図書館で借りられるようになるというのがシリーズ物の宿命(?)。
これも昨年に出た本で、ようやく予約なしで借りられました。
前作「ちんぷんかん」がいま一つだったので、あまり期待していませんでしたが、前作よりおもしろかったです。
本文とは全く関係ないのですが、せっかくだから挿絵を入れてほしいというのが本音です。
あの柴田ゆうさんの絵が素敵なんですが。
いっちばんいっちばん
(2008/07)
畠中 恵

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藪の中 芥川龍之介

厳密に言うとこの本を読んだわけではありません。
芥川はちくま文庫の芥川龍之介全集で読んだので、どの本と聞かれると困るのです。
最近、TAJOMARUなんていう映画ができていますが、その予告編で出てきた柴本幸の演技のひどさといったら…
そりゃあこの場合タイトルが多襄丸ですから、「羅生門」の京マチ子と比べるのは適当ではないでしょうけれど、それにしたってもう少しまともな女優さんがいくらでもいるでしょうに…


で、この原作の「藪の中」ですが、いろいろな人物の視点から描いた小説の原点ともいえる作品でしょう。そしてたいていこういう原点というようなものはその作品自体は大したことなかったりするのですが、これは違います。むしろ最高傑作と言っていいかもしれません。
人間の言うことがいかにあてにならないかを描き、その全員の立場の描き分けが見事。
読まないと後悔するといえる数少ない本でしょう。
藪の中 (講談社文庫)藪の中 (講談社文庫)
(2009/08/12)
芥川 龍之介

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こっちへお入り 平安寿子

落語を題材とした小説。家族だったり自分自身だったりと問題も抱えつつ、落語に生きる力をもらう女性の話。
カルチャースクールで、しかもプロの噺家ではない人に教わっている程度、というところがいい。
あとは平安寿子独特の容赦ない描き方がなかなか気持ちいい。
大人って意外とそういうもんですよね。
画像がなかったのでサイズは適当です。
面白い本なんですけどね。
こっちへお入りこっちへお入り
(2008/03)
平 安寿子

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片眼の猿 道尾秀介

よく考えたら当たり前の結論なのだが、独特の伏線の張り方にひっかけられてしまったような感じだ。
だが、こういうのは悪くない。意外性を出すために無茶をしていないというわけではないのだが、無理やりなごまかし工作はやっていない。最初の設定をぼかすことでうまく引っかけたというべきだろう。
推理小説が好きな人がどう評価するのかはわからないが、殺人の正当性云々の話とか、感動押し売りにならなかったところがよかった。
片眼の猿―One-eyed monkeys (新潮文庫 み 40-2)片眼の猿―One-eyed monkeys (新潮文庫 み 40-2)
(2009/06/27)
道尾 秀介

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硝子のハンマー 貴志祐介

「狐火の家」を先に読んでしまったので、読んでみたというのが正直なところですが、そんなに悪くない作品だと思います。
わりと推理小説の構成としては嫌われそうな気もしますが、私はそもそも推理小説をあまり得意としていないので、そこに不満があったわけではありません。
一番の評価のポイントは終盤のやり取りでしょう。
推理小説で一番ありがちなミスは弁護士がアホすぎることなのですが、この場合の青砥先生は説得するまではいかないまでもきちんと言い返しています。
これがなぜ重要かというと、作家の立ち位置がわかるんです。
ここできちんと言い返せない弁護士しか書けない作家には少なくとも行政側つまり警察なり検察なりの視点から話を書く資格はないということです。そういう作家が啓示を主人公にした作品を書くと大体途中で論理破綻が見られます。その結果読んでいる最中に白けてしまうんですね。
しかし、この作品ではあえて青砥にそういわせることで、理論的な支柱を築くことに成功しているといえます。
その点に限り高く評価したい作品です。
硝子のハンマー (角川文庫 き 28-2)硝子のハンマー (角川文庫 き 28-2)
(2007/10)
貴志 祐介

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キャンセルされた街の案内 吉田修一

久々の新刊ということで読みに行きました。
短編集なので少しずつ読むのに最適!!
全体的にはどっちかというと文学よりの本かなという気がしました。
僕の中で吉田修一は社会派的なのと文学的なのとあって、今回は後者のほうが近いかなという感じです。
ただ吉田修一の文章は読みやすいので、そんなに明確には分けられませんが。

最後の話を除いて、妙に短すぎの印象がありました。
実際短いんですが、面白いだけにもう少し展開させてほしかったなと思ってしまいました。
キャンセルされた街の案内キャンセルされた街の案内
(2009/08/22)
吉田 修一

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ここに消えない会話がある 山崎ナオコーラ

2編の作品からなる本。
どちらも山崎ナオコーラらしくていい。大して内容はないのだが、なんとなく温かい雰囲気になっている。
描かれている内容が気になってふと調べてみたら山崎ナオコーラは1978年生まれ。思いっきり「ロスジェネ」なわけだ。
そのせいかどうかはわからないが、広田が就職の際にあまり評価されなかったのではないかというような描き方がとても説得力を持つ。
実際の企業の担当者がそんなことはないと反論することはあるかもしれない。
しかし、山崎ナオコーラの視点はロスジェネが抱えている共通認識に近いのではないだろうか。
この作品はそういう読み方もできる本である。
ここに消えない会話があるここに消えない会話がある
(2009/07/24)
山崎ナオコーラ

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贖罪 湊かなえ

わりと早めに予約を入れたせいか、思ったより早くやってきた。
話としては…
うーん、面白いんだけど「告白」の二番煎じという感じが否めない。
あとは全体に嘘っぽくて「告白」ほど勢いで読ませることができていない感じがした。
ある事件とそれにかかわった4人の少女と被害者の母親の5人の独白で構成されているが、みんな事件に巻き込まれすぎでしょう。「告白」は一つの事件だからこその説得力があったが、ここまで事件に巻き込まれる人が多発してしまうと説得力を持たせるのは難しいだろう。
いくらなんでもこれはやりすぎ。その結果、違和感が強くなりすぎてしまって、面白いんだけど、粗さが目に付いてしまう。
あとは細かい話になってしまうが、いくら議員の息子だからといったって、これ起訴しないって。検察はそんなに暇じゃないし、だいたいそんな根拠で捜査したら後で大問題になるって。
議員だってそうでしょう。弁護士に探られたくないから、そんなリスクわざわざ負わないって。
と考えると、真紀が不起訴にならなかったのがおかしい。っていうかそもそもこれは純然たる被害者としての処理をすべきだろう。
プールの授業中の女性教諭と襲ってきた男だったらたとえ生徒が全員避難した後であったとしても、さらに自分が逃げられる状態にあったとしても、プールにつき落とすくらいのことは間違いなく許される。それが問題になること自体もおかしいが、その後週刊誌が騒いだくらいで起訴する検察も不自然だ。
で、最終的に有罪判決って…どこの裁判所だよ?
どうしてもこの手の話に説得力が見いだせないんだよなあ…
面白いんだけど、そういうところが気になってしまうと、名作とは思えなくなってしまう。
せめて最後のところでは無罪を勝ち取ったということにしてほしかったなあ。
贖罪 (ミステリ・フロンティア)贖罪 (ミステリ・フロンティア)
(2009/06/11)
湊 かなえ

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一周年記念

ちょっと趣向を変えてこのブログの傾向を調べてみた。
この1年に紹介した本を作家別に並べてみた。
登場回数ランキング
1位 重松清 13回(13冊)
2位 近藤史恵 9回(10冊)
3位 石田衣良 9回(9冊)
4位 吉田修一 6回(6冊)
4位 角田光代 6回(6冊)
4位 あさのあつこ 6回(6冊)
4位 瀬尾まいこ 6回(6冊)

…瀬尾まいこがこんなに上にいるのは、瀬尾まいこを読み始めたのがこのブログを開始してからだからだろう。近藤史恵もそう。
それ以前の作品をあらかた読みつくしていた重松清がここまで上に来たのは単に作品数が多いからだろう。
吉田修一もすでにあらかた読んだ状態だったからこの程度しか書いていない、という感じだろうか。
角田光代もその条件は同じなのだが、もう一つ、この期間に読んだけどブログには書かなかった本というのもある。
あさのあつこも明らかに児童文学的なのは外しているから、そういう意味では不利になった。


で、こっちは勝手な感覚なのだが、おそらく一番検索ワードで引っかかったのが「派遣ちゃん」(ちなみにこのブログで紹介したのは3月20日)。
なんでぼろくそに書いた本でこんなに人が来るのか…
すみません、こういう本嫌いです。

あと山田悠介で来た人多かったなあ…
たぶん山田悠介の本って若い人(10代からせいぜい22までの人)の感想が多いからじゃないかと思う。
つまりいい年してこんなレベルの低い本を読んでいる人間がほかにいなかったので、こんなブログでも見に来てくださったということだろう。


こんな感じですが、今後ともよろしくお願いします。

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十五号車の男 黒羽英二

久々に時代背景を文章の中に落とし込んだ作品を読みました。
短編集なのですが、書かれた時期にかなり差があり、一番古いのは1956年の作品だそうです。
しかし、全く時代錯誤な感じにならないのは、文章自体が完全に戦後10年くらいというのを明らかに漂わせており、中年男の語りが明らかに戦前の雰囲気を醸し出しています。
その結果、時期は「去年の夏」としか書かれていないにもかかわらず、容易に時代が想像できる作品に仕上がっています。
基本的に時代背景は文章の中に描きこむものだと思っている私としては、とても気分よく読むことができました。
次は打って変わって70年代の話、最終的には最近の話までいくわけですが、すべて鉄道がらみ。
ここまで電車オタクなのもすごいですね。
逆に鉄道オタクだからこそ、書けた作品であり、もしかしたらそれを正確に描いたことが時代を描きこむことにつながったのかもしれません。
十五号車の男十五号車の男
(2009/07/11)
黒羽 英二

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パラシュート 山田悠介

いやあさすがは山田悠介、見事なまでの低レベルな本。
知的水準が低い低い。なるほど、これなら「中学生の作文」といわれても納得できる。
「その時までサヨナラ」はそんなに面白いとは思えなかったが、これに比べればまだましだったのだと思った。
なぜ、「中学生の作文」と評されたか、簡単だ。
理由は大きく二つある。
①語り手が主人公に同化しすぎ。わかった気になって語り手としての役割を果たしていない。
あんたはわかっても読者がわかっていなければ意味ないだろうが。
あえていうなら語り手を別に設定しないほうがいい気がする。主人公の一人称でおしていったほうがまともな文章になると思う。
②ある程度の大人なら当然に有しているであろう常識が欠落している。
それもかなりひどいレベルで。この著者は自衛隊についても知らなければ、地理についてもろくに考えておらず、戦争とはどういうことかもわかっていない。また、殺し屋もあまりにも嘘っぽくて殺し屋というのを子供向けアニメでしか知らない人のようだ。(まあ僕だって本物の殺し屋にお目にかかったことはないが)
要するにこいつ馬鹿じゃないの?と多くの人が思うから、「中学生の作文」といわれるのだろう。
この作品についてはそういう評価が正しいと言わざるを得ない。
これが面白いと言っている人は人生の経験値が足りないのか、それとも何か面白くなるような別の読み方があるのか…
とにかくこれをまともな小説だと僕は思えない。
パラシュートパラシュート
(2007/07)
山田 悠介

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オレ様化する子どもたち 諏訪哲二

大変にレベルの低い本です。
問題は、このようなレベルの低い本が支持されるという一部の人々の、ある種病的なまでの懐古思想にあるのかもしれません。このブログでは行きすぎた懐古思想を「過去美化信仰」と読んでいますが、そういう人には気持ちのいい本だと思います。
ですが、私に言わせればこれは、「理論」でもなければ「実践」でもない、ただの自己満足いや「自慰」と言ってしまってもいいレベルです。
オレ様化する子どもたち (中公新書ラクレ)オレ様化する子どもたち (中公新書ラクレ)
(2005/03)
諏訪 哲二

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今日は長文ですので、一回切ります。
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サッカーボーイズ14歳 はらだみずき

こういうのは好きなのだが、読んだ時期が悪かった。まさか「中学んとき」があんなにすごいのをかますと思わなかったので、同時並行的に読んでいたのだが、最終的なインパクトで若干負けてしまった感じがする。


シリーズものであるゆえに、今までの話を読んでいないと読めない。
特に今作はそうなっている。ただ遼介が徐々に成長しているところが見てとれて、今までの2冊を読んできた人には面白いだろう。
全体的にさわやかに仕上げてあるところも評価が高いのだが、もう一つ評価したいのは、あえて試合後まで書いているところである。
もし書評家受けを狙うのなら、新人戦の直前もしくは試合中に止めるのもありだと思う。
しかしきちんと試合を書ききって、そのあとの話までつけたところに書評家受けを捨ててまでこの作品を完成させようとした作者の思いが感じられる。
もちろん今までの2冊と同様、サッカーを知らない人でも十分に楽しめる作品である。
サッカーボーイズ 14歳  蝉時雨のグラウンドサッカーボーイズ 14歳 蝉時雨のグラウンド
(2009/07/28)
はらだ みずき

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植物図鑑 有川浩

Amazonのレビューでは大方好評なようですね。
確かに、ハッピーエンドでいかにも有川浩らしい温かいお話に仕上がっていますし、求められているものを書いた、ということなのでしょう。
実際に植物を取って召し上がったそうで、ある程度植物の好みが見えます。
よほどフキノトウがお気に召さなかったのでしょう。しかし、天ぷらにしたときヨモギは普通に食べてフキノトウのほうは苦くて食べられないというのがおかしな気がしました。あの程度で苦い苦い騒ぐならなぜヨモギが食べられるのでしょう?しかも主人公はタンポポも平気で食べているのに…
それからイタドリを生で食べたときに「果物に近い」と表現。いやそれは大げさでしょう。たしかに甘酸っぱいという感じですが、甘さはかなり控えめですよ、生のイタドリは。この辺りに作者の好みとの相違を感じました。
あとはイチゴに関する部分が若干甘いようにも思いましたね。
最後に植物を丁寧に調べたところはわかったのですが、民法も調べるべきでしたね。
親が生きているのに相続放棄をすることはできません。排除はできますが、この場合代襲相続ができるので問題の解決にはならないでしょうし。
と、結構悪口を書いてしまいましたが、ついつい語りたくなるほど面白い本ではありました。


おまけ
作者が昭和天皇の言葉を引用していたので、同じ言葉の引用例として最も優れたものと私が勝手に思っているあるニュースサイトの記事をリンクします。
http://bogusne.ws/article/94808052.html
植物図鑑植物図鑑
(2009/07/01)
有川 浩

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中学んとき 久保寺健彦

中3男子を主人公にした短編集。
4つの話から構成されていて、最初の恋する少年の話はわりと普通で、そんなに面白いとも思わなかったが、2つ目の話は多少書評家受けっぽい書き方な気がしたものの、そこそこ面白かった。
3つ目はぶつ切りな終わり方がありがちな感じではあったが、かなり面白かった。
そして4つ目の「ハードボイルドなあいつ」はすごかった。
序盤からなかなか面白そうな展開を見せるのだが、終盤の衝撃的な展開は本当に見事としか言いようがない。中学に潜入して書いたのか?と思わせるほどリアルに描かれている。学校の描き方も素晴らしい。
読んでいるうちに心臓がドキドキする感覚は久しぶりだった。
いろいろと解釈はできるし、いろいろな問題提起をくみ取るのもありかもしれないとは思うが、あえてそれはしない。ただこの作品をストレートに読んでみることを強く勧める。
このレベルの作品がもう一つでもこの短編集に入っていれば、この本は名作といいきれたのだが、本としては普通の面白い本という感じになってしまったのは、やはり全体的にはそこまでレベルが高い話をそろえられなかったということと、最後に番外で余計な文章をくっつけたことが原因だろう。
「リサ」の話は不要である。この部分は完全にカットしてもよかったのではないか?
しかし、僕の久保寺健彦に対する評価はこれでかなり上がった。次回作が気になる。
中学んとき中学んとき
(2009/07/31)
久保寺 健彦

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狐火の家 貴志祐介

まあ悪くない話、という感じでしょうか。
「硝子のハンマー」の続編というのをあとから知りました。
というわけで、「硝子のハンマー」はまだ読んでいないのですが、それでも十分に楽しめました。
短編集で、一つ一つが読みやすく、悪くない本です。
ミステリーにありがちな意外性の追求しすぎということもありませんでしたし。
最後の劇団の主宰者が殺される話が一番好みでした。
狐火の家狐火の家
(2008/03)
貴志 祐介

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削除ボーイズ0326 方波見 大志

ポプラ社小説大賞の第一回大賞であり、かつ現在のところ唯一の大賞受賞作。
主人公の年齢設定も小学6年生とかなり期待値が高まった本作品…
が、期待値を上げすぎたせいか、思ったほどでもなかったという印象に落ち着いてしまった。
少年の描き方がわりと自然で、感情移入しやすい。
若干、文章に粗さはあるが、語り手が少年であるからむしろその粗さこそが自然に思える。
また、ごまかしがきく設定になっており、これはよく考えたなと思った。
そして何より評価したいのは兄の描き方である。
これは設定としてはそんなに好みではなかったのだが、最後に…と書くとネタばれしてしまうのでやめるが、あの行動の動機が明かされたときに、なるほど、とうならされた。この説得力は実際にその行動に走ろうとした経験がなければ分からないのではないか?選考委員がここを評価していたかどうかは微妙ではあるが。
…でこれだけ称賛しておいて、なぜ思ったほどでもなかったかというと、やはりいま一つ決定打に欠けた感じだったんだなあ。
面白いのは間違いないんだけど、期待値が高かっただけにあと一歩という感じだった。
削除ボーイズ0326削除ボーイズ0326
(2006/10)
方波見 大志

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