とりあえず読んでみる
本の感想を思いつくままに書いています。読んだ順番ではありません。   あと非常に偏った趣味なのでその辺もご理解いただけると嬉しいです。    ※画像の大きさがおおざっぱなお勧め度です。

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ブルーベリー 重松清

重松清の自伝的小説。ってこのパターン多いな。
しかし、使い古されたパターンなのに、こんなに面白いのはなぜだろう。
まず主人公がいい。
周りの人のバカなところもいい。
そして何より昔はよかった、にならないところがいい。
昔はこうだった、と振り返る。そしてそういう時代だった、と締めくくる。
そこには懐かしむ気持ちはあっても、それが今より良かったなどというイカれた思想を含んでいない。
あの時代より良いものを求めたから今がある。それはすなわち今の生活を手放せないのなら、過去を必要以上に美化する資格はないことを意味する。
だからこそ重松清の懐古趣味は無駄に過去に戻りたがらない分好感が持てるのだろう。
そして使い古されたパターンだとわかりつつも、ついつい読み返さずにはいられなくなってしまうのかもしれない。
ブルーベリーブルーベリー
(2008/04/22)
重松清

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エンジョイしなけりゃ意味ないね 朝倉かすみ

短編集だが、多少登場人物が重なっている話もある。
まあ読める話もあったが、全体的にどうも作者の自己満足を感じる。
タイトル通りに作者はエンジョイしているのかもしれない。
だが、ここまで自己満足としか言いようのない話を連発されると読むほうとしては疲れる。
田村はまだか」はまぐれあたりだったのだろうか。
現在、朝倉かすみは3連続でつまらない本を引き当ててしまっている。
そこでふと思ったのだが、「田村はまだか」のときは、田村に会いたいと思う人たちという共通項でくくった中でのルールであり、思い出話とはえてしてそんなものだからという認識の下、自己満足が自己満足という範疇にとどまらずに一般化できるのだが、この本のように自分ルールを無理やり一般化しようとした場合には、作者の自己満足についていけないという現象が起きるのではないだろうか。
この仮説はいい加減なものだから、どうでもいいのだが、とにかくこの本は「残念」あるいは「がっかり」という評価の似合う作品だろう。
エンジョイしなけりゃ意味ないねエンジョイしなけりゃ意味ないね
(2008/11)
朝倉 かすみ

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真夜中の5分前 本多孝好

sideAとsideBという2冊にわかれているが、何のことはないBにはAの続きが書かれているだけであり、実質的には上・下となっている本と変わらない。
わざわざsideAとsideBとするからにはBではかすみの視点から描かれるのだろうかとか勝手なことを考えていたが、全くそんなことはなく、語り手は相変わらず「僕」のままで、しかもBははっきり言ってしまえばAの良さを殺す続編である。
村上春樹が既に描いたパターンを用いるのならば、そこに村上春樹を超える要素がなければそれは「できそこない」と呼ばれる。
この作品の場合、sideAでやめておけば、もう少し高い評価が下されたであろう。
しかし、sideBを書いたことで完全に「村上春樹のできそこない」となった。
そのくだらないとしか言いようがない問題提起をそこまでしてしたかったのか?
本当にこんな続きを付け足したことがいいと思っているのか?
わからない。
ただ一つ言えるのは、Bを書くという選択をしたことを私は評価しない。
Bは村上春樹に傾倒している文章のうまい大学生の作品、といわれたとしても私は信じてしまうだろう。それぐらい自分の個性を殺すものに思えた。
真夜中の五分前―five minutes to tomorrow〈side‐A〉 (新潮文庫)真夜中の五分前―five minutes to tomorrow〈side‐A〉 (新潮文庫)
(2007/06)
本多 孝好

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真夜中の五分前―five minutes to tomorrow〈side‐B〉 (新潮文庫)真夜中の五分前―five minutes to tomorrow〈side‐B〉 (新潮文庫)
(2007/06)
本多 孝好

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私が語りはじめた彼は 三浦しをん

一人の人間について直接は描かずに、その周りの人物を描いていくという構成になっているが、結論から言うと、この構成の勝利という感じだろう。
はっきり言ってしまえば、三浦しをんの書く男は明らかに
「ああこれ女が書いてるな」
とわかる男ばかりであり、もしこの作品で直接村川融という人物を描いていたら、おそらくくだらない本になっていただろう。
それを妻だの娘だの恋人だのを交え、間接的に村川の影響を描くことで、面白い作品に仕立てている。
惜しむらくは息子と殺し屋の話の部分があまりにもくだらないこと。
ほかの男性の語り手の部分は無難にまとめ上げたのに、ここで三浦しをんは自身の欠点を露呈させることになる。男同士の友人関係あるいは友人に類する関係が本当に嘘っぽいのである。
この部分によって傑作とはとても言えない作品になってしまったように思える。
どうせならもっと無難に逃げる方法をとってもよかったのではないかと思う。
私が語りはじめた彼は (新潮文庫)私が語りはじめた彼は (新潮文庫)
(2007/07)
三浦 しをん

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朝のこどもの玩具箱 あさのあつこ

まあ普通の短編集。
ただ全体的にどこかで読んだような感じがした。
「ぼくの神さま」とかヴィヴァーチェとほとんど同じだし…
強いて言うなら「しっぽ」が一番良かったかなあ…
まあそういうわけであまり薦めない。
朝のこどもの玩具箱(おもちゃばこ)朝のこどもの玩具箱(おもちゃばこ)
(2009/06)
あさの あつこ

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まぼろしハワイ よしもとばなな

ハワイの出てくる話を集めた本?とでも言おうか。
ところどころいいセリフはあるのだけど、ところどころ面白い部分はあるのだけど、それでも全体的には人に薦めるほどでもないかなあという感じだった。
たぶん今の気分とこの本があっていなかったのだろう。
まぼろしハワイまぼろしハワイ
(2007/09/26)
よしもと ばなな

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あの歌がきこえる 重松清

一人の少年の成長を描いたいかにも重松清らしい作品で、随所に当時のヒット曲を織り込んでいる。
方言が使えるというのはそれだけで武器になるから便利だなあとこの手の作品を読むたびに思う。
若干、書かされました的な気もするのだが、それでもこれだけの作品に仕立ててしまうあたり、重松清はもはや職人芸に達していると言っていいかもしれない。
あの歌がきこえる (新潮文庫 し 43-14)あの歌がきこえる (新潮文庫 し 43-14)
(2009/06/27)
重松 清

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向日葵の咲かない夏 道尾秀介

「生理的にムリ」という言葉が頭をよぎる。(そういえばヒッキー北風はどうなったんだろう?)
こうなってしまうともはやどれだけ素晴らしい文章が展開されていようともがんばって読みました、という感じになってしまう。当然楽しめるわけがないし、途中でやめてもよかったのだが、ちょっと気になるところがあったので、最後まで読んだ。
が、気にするほどのことでもなかった。
最後まで読んだところで伏線としてきれいに処理されていたとは思えなかったし、こういうオチかよ、と思うとなんか腹が立ってくる。もちろん腹が立ってくるのは「がんばって読んだ」ことに起因するものだから、頑張って読まなかった人は別に腹も立たないのかもしれないが。
そういえばあとがきで賛否両論ある作品だと書いてあった。
ならば私は「否」に一票を投じよう。
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)
(2008/07/29)
道尾 秀介

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センチメンタル・サバイバル 平安寿子

こういう本、わりと好きです。
男性読者を想定していないといいきったところが潔いといいましょうか、正直、ついていけない部分もありました。しかし、それでも若者も中年もあまり美化せず、かといって非難しすぎず、比較的フェアな書き方はされているなと思いました。
何よりもあとがきがよかったです。
ですからこれは文庫版で読むことをお勧めします。
あとがきを読むことで作品の良さがよりひき出される感じです。

センチメンタル・サバイバル (角川文庫)センチメンタル・サバイバル (角川文庫)
(2009/02/25)
平 安寿子

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その時までサヨナラ 山田悠介

すこぶる評判が悪い山田悠介の本に挑戦。
批評によっては「小学生の作文」とか言われていたが、そこまで文章がひどいとは思わなかった。
しかし、内容はなんか本当にプロの作家か?と疑ってしまうほど個性がない。なんかどっかで読んだ話をくっつけただけのような感じで、人物の描き方もありきたり。
っていうかこれ、盗作って言われないのか?具体的な作品名は伏せるけれども、結構問題があるんじゃないだろうか。
作者が知らずに書いたのなら問題はないだろうが…
その時までサヨナラその時までサヨナラ
(2008/04)
山田 悠介

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鷺と雪 北村薫

先日発表された直木賞受賞作。
前作・「玻璃の天」や第1作目の「街の灯」を読んでいないとわからないだろうと思われる部分があるのが多少残念ではあるのだが、締めくくりの作品である以上仕方ないだろう。
そして本作は昭和11年までを描いているが、これはまさに戦争までの分岐点。
「玻璃の天」で引用された刑法志の「善く敗るる者は亡びず」という言葉が、再び登場し、よりはっきりと突き刺さる。
一人の人間の無力さを象徴するベッキーさんの終盤のセリフもいい。
今の日本ははたしてこの歴史から教訓を得ているのだろうか?今の社会を見ているとそれが疑わしく思えてならない。
鷺と雪鷺と雪
(2009/04)
北村 薫

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三月の招待状 角田光代

角田光代は本当にしょうもない人を描くのがうまい。
この作品も「離婚式」をするというとんでもないところから話が始まる。
読んでいくうちに、本当にしょうもないことやってるな、と思う、そしてふと思う。
「じゃあしょうもなくないことって何だ?」
そう考えると、暇人であるという事実に向き合うことを恐れているという作中での指摘は非常に正しい。もちろん今までもそういう指摘をする人間の文章を読んだことはある。だが、その手の論説でこれほどまでに説得力を持って示したものはなかった。それをこんな形で示した角田光代の表現力のすごさは並ではない。
そして当然のことながら、そういう余計な事を考えずとも楽しく読めるだけの要素がたくさんあり、普通のエンターテインメントとしても十分な価値がある作品である。
三月の招待状三月の招待状
(2008/09/04)
角田光代

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新世界より 貴志祐介

上下2冊で、しかも1冊がかなり厚いので、読み始めるには若干の躊躇があったのだが、これが面白い。

一つの世界を作り上げようとすればこれだけの文章量になるのは仕方ないだろう。逆にいえば、無駄がないのでページ数の割には、長い感じがしない。

生物を学問としてある程度のレベルに昇華させた人にはいろいろと突っ込みどころがあるかもしれないが、動物園は好きだけど、詳しいことはわからないレベルの人間(僕とか)にはかなりはまる作品である。

そして作者の掲げたテーマとそれを描くにあたってもう一つ読み取れることが非常に興味深い。メインテーマは実際に作品を読んでもらったほうがいいとして、この世界から読み取れるもう一つのこととは、「統治する者の視点が内側にだけ向くと、外側からの圧力に弱くなることに気づかなくなる」ということだ。
内側の危険を取り去ることに躍起になった者たちは、結果として、知を制限し、その結果、外の出来事への危機感が異常なほど弱くなる。
ちょっと強いものを持つと「これがあるから大丈夫」と万能のように感じてしまう人間の愚かさもそこに込められている。
そう、知ることと深く考えることをやたら制限することがその社会を破滅に導くことをさりげなく暗示しているのである。

現在、インターネットのせいで深く考えない人が増えたといわれる。
ネットでの意見を読んでいて、全員ではないが、簡単な文章もまともに読まず、他人の解釈にすべてをゆだねる人が多いように僕は感じる。
そのような状況下で、この本が提示して見せた世界は、我々に自分たちの社会を省みるいい機会を与えてくれるに違いない。
新世界より 上新世界より 上
(2008/01/24)
貴志 祐介

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新世界より 下新世界より 下
(2008/01/24)
貴志 祐介

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裁くのは僕たちだ 水原 秀策

一言で言うと駄作。
著者の妄想にうんざり。この手の裁判員小説でまともなものをまだ読んでいないので、どなたかご存じの方は教えてほしい。
突っ込みどころが多すぎて、全く話に入っていけない。
ファンタジーじゃないんだから自分ルールを設定するときは現実世界との乖離をちゃんと強調する書き方にするべきだろう。
まあこういう妄想にお付き合いできる人でもない限りは時間の無駄以外何物でもない本だろう。
裁くのは僕たちだ (ミステリ・フロンティア)裁くのは僕たちだ (ミステリ・フロンティア)
(2009/05/22)
水原 秀策

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夜の桃 石田衣良

なぜか画像がなかった。※1
まああったとしてもそんなに高い評価はしないけど。
いわゆる恋愛至上主義的な作品で、まあ石田衣良らしいといえばらしいんだけど、何かちょっと違う。
若者への優しさが少々ない気がしたのがひとつと、あとは良くも悪くも中年男とやらをうまく描いている。
あと性描写がなんかきつい。石田衣良の作品はわりと性描写が多いのだが、それでも従来の作品と違ってこれは妙に僕を不快にさせる書き方だなと思った。
5年3組リョウタ組のときは気にならなかった、「眠れぬ真珠」の宣伝が妙に腹立たしく思えた。

そういうわけで石田衣良作品の中ではかなり嫌いなほうに位置します。
夜の桃夜の桃
(2008/05/22)
石田 衣良

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※1 これをアップしてから何度か試した結果、ようやく画像が出てきました。
今まで失敗していた理由は不明ですが、あれは検索エラーの画面だったようです。

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エレクトメンズ・パレード 杉浦昭嘉

障害者の介護をする主人公を通して、現在の日本が抱える各種の問題を描いた作品…というと堅っ苦しく聞こえるが、実際はエンターテインメント小説として楽しめる作品になっている。こういう視点での作品というのは押し付けがましくなくて、より多くの人に伝わる要素を持っているといえるだろう。
エレクトメンズ・パレードエレクトメンズ・パレード
(2009/04/07)
杉浦 昭嘉

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